122 The third task ページ25
6月。
私は眠れずに天文台の塔に居た。
厳しい寒さの冬、肌寒い春はすっかり終わり、心地よい風が頬を撫でる。
今日は魔法対抗試合最後の日。
そんな日に眠れる訳が無い。
明日の私は正式に
原作通りであれば今日ヴォルデモートは完全復活する。そしてセドリックは死ぬ。
でも私は違うルートを思い描いている。
私とハリーは生き残った少女、そして少年。
所謂可哀想な子___
ハリーの血の代替えとして私の血でもヴォルデモートは復活するだろう、そう目論んでいる。
ハリーとセドリックにあの墓場には行かせないつもりだ。
私1人で行けば丸く収まる。
誰も死なない、傷付かない。
でもそんな上手くいく訳が無い、とも思っていた。
きっとヴォルデモートは面白がり死喰い人、若しくはヴォルデモート自身と私を闘わせるだろう。
それも真剣勝負、で。
生きるか死ぬか___完全なる真剣勝負だ。
ルシウス含む今日召集されるであろうメンバーは、クディッチワールドカップの死喰い人とは比べ物にならないくらい力を持っている。
『____どうなるかな』
「寝れないのですか」
突然の声に背後を驚き見た。
『___クィリナス、？』
草臥れた表情のクィリナスはそっと微笑んだ。
時が止まったように思えた。
『___ｯ会いたかった』
抱き付くと懐かしい香りが鼻を掠める。
クィ「側に居られなくて申し訳ないです。今日だけはせめて、と思いまして」
ダンブルドアの話によると、どうも上手くいっていないらしい。
不可解な出来事は確かに沢山あるものの、ヴォルデモートが復活するとは思えず冷やかしだと追い返される事も多々あると聞いていた。
そっと身体を離しクィリナスの顔を見ると、目の下には隈がくっきりとあり窶れているように見えた。
『___寝れてないの？』
クィ「…貴方程では無いですよ」
クィリナスはそっと私の頭を撫でた。
クィ「いよいよですね」
『____うん』
クィリナスは全て知っている。
唯一私が全てを話した人間だ。
クィ「___本当はずっと一緒に居たかった、でも…」
『私達は離れていてもずっと一緒、って言ってくれたのはクィリナス、貴方よ』
私だって本当は一緒に居たかった。
悩んだ時は一緒に悩んでくれて、私が違う道に行けば叱ってくれる、時には一緒に酒を飲んで腹を割って話せる大切な相棒。
こうなる事は最初から分かっていた。
『皆を頼んだからね、クィリナス』
クィリナスは強く頷いた。
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チキン(プロフ) - こぐま☆にゃんこさん» ありがとうございます（ ; ; ）！そう仰って頂けて嬉しいです(*´-`)今後も何卒宜しくお願い致します！！ (2021年2月8日 17時) (
レス) id: 55e10b36fe (このIDを非表示/違反報告)
こぐま☆にゃんこ(プロフ) - 面白い作品で夢中で読ませて頂いております！二人の恋が、どうか最後には幸せになることを天に祈ってしまうほどに、気持ちが入ってしまうほどの作品でした！これからの続きも楽しみにしております！ (2021年2月8日 2時) (レス) id: e3cd7b0c38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チキン | 作成日時：2020年12月30日 1時
