__恋する (ページ31)

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*ネスside

と「あ、さくらちゃん寝てね？」

久々に事務所に寄ると、とぅーしがそう言って
さくらちゃんのデスクを指差している。

さくらちゃんを見ると
デスクにうつ伏せになって寝てるみたい。

無防備な…

と「珍しいね、」

ゾ「最近がんばってたからねー」

そんなこと俺だって分かってる。

俺らのフォローや、スケジュール管理、
外部とのやりとり諸々

こんな小さい女の子が全部やってると思うと
信じられない。

と「寝顔みーちゃお、」

「おい！」

と「きゃわいーーーー」

俺の制止も虚しく、さくらちゃんの顔を覗き
頬に手を当てて悶えている。

なに見てんだよ！！

そう思いながらも体は勝手にとぅーしの近くへ、
そしてさくらちゃんの顔を覗き込んでいた。

軽くカールしてるまつ毛がチラりと見える。
あああ、全部見たい！

ゾ「風邪ひきそうで怖いな、」

ゾマさんはそういうと、静かに上着を脱いで
さくらちゃんの肩にかける。

と「ゾマさん抜け駆け！俺もかける」

「バカ、重いだろ！てか静かにしろ！」

ゾ「ネスもうるさいよ。笑」

と「てかネスもかけてるじゃん」

「あ？俺はいいんだよ、俺は。
　とぅーしのをどかせ」

と「なんでだよ！笑」

ゾ「はいはい、喧嘩しないの！」

ゾマさんは俺たちの間に入り、
ドオドオ、と言いたげな胸をぽんぽん叩く。

大人なフリしてるけど、一番にやけてるの
ゾマさんですからね。

俺はさくらちゃんのデスクに置いてある付箋を一枚もぎり
さくらちゃん宛に手紙を書く。

さくらちゃんへ

いつもありがとう！
寝顔はいただきました！

ゆっくり休んでね。

ネス

よし、とペンを置く。

と「ずりぃ！俺も名前書く」

「あ！おい！」

ゾ「俺も俺もー」

「ゾマさんそっちに書いたらゾマさんが書いた人みたいじゃないっすか」

ゾ「えー。笑わざとだよ、笑」

と「ゾマさんが一番ずりぃ！笑
　俺目立つようにビックリマークつけとこ」

「目立つってかバカそう」

と「うるせぇ！笑」

さくらちゃんを起こさないように小声で言い合う。

俺らいつまでこんな横並びなの。
一足早く抜け出さなきゃ…

「うたた寝(白水橙)」 end