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さくらちゃんは両手をこちらに広げる。
俺はさくらちゃんの腕の中にいるサメに
顔を埋めて寝転ぶ。
サメの向こう側にいる彼女は
「うんうん、頑張ってるもんねー」と
子供を宥めるように背中を撫でてくる。
最近確かに仕事が立て込んでいて、
それがわりと大事な仕事ばかりで、
やる気はあるし仕事は楽しいしやり甲斐もある。
なんの不満もないけど、
心が休まっていなかったのかな。
全然意識してなかったのに、さくらちゃんの言葉が
図星だと感じた。
ネ「俺も酔ってたのかな、」
「私は酔ってないよ……」
ネ「どの口が言ってんだ」
「………んん…………」
ネ「寝るのかよ」
「……ふふっ、私も寂しいから寝るまでいて…」
ネ「クソわがままじゃん…」
「涙乾いてから帰りなよ…」
ネ「……はぁ……なんなんすか、あんた」
「ネスさんのマネージャーさん……」
ネ「なんかむかつく…」
「よしよししたげよっか？」
ネ「……うん……」
「はいはい、」
ネ「…はぁ………、むかつくけど…
ありがとうございました。」
「なにが…？」
ネ「泣いたらなんかスッキリしました」
「…良かった。次はストレス溜まる前に
遊びに行ったりしなよ〜」
ネ「さくらちゃんと一緒なら考える」
「いいよ〜ネズミ〜いこ、ネズミ〜」
ネ「ディズニーな？」
「ネズミ〜」
ネ「てかなんでそんなデートみたいなとこ…」
「え…………デートでしょ………？…」
ネ「デートなの？」
「…ん、………ｽｩ……ｽｩ………」
このタイミングで寝るんかい。
なんかもう一日振り回されすぎたけど、
悪くないなって思ってしまっている。
本格的に寝始めたさくらちゃんの手を取り、
指を絡めて恋人繋ぎしてみる。
うん、悪くないかも。
サメに顔をぎゅーと埋めて丸々彼女に
布団を被せて、ゆっくりと玄関を出る。
大通りでタクシーを拾い、帰ってる最中
流れる景色がいつもより綺麗に見えたのは
さくらちゃんのおかげなのかな。
「続・二日酔い(白)」end
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作者名：まるさ | 作成日時：2022年12月12日 11時
