▶︎続・二日酔い(白)__01 ページ24
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ネ「ほら、さくらちゃん歩いて」
「………ねむぃ」
ネ「うん、分かったから。
ほら鍵出して」
「こんなか…」
差し出される黒の小さめのバック。
いや警戒心なさすぎでしょ…
ネ「はいはい、開けるからねー」
バックを漁り鍵を探し出して玄関を開ける。
開けると一気にさくらちゃんの匂いが襲ってくる。
うわあ、がんばれ俺の理性。
どうにか靴を脱がして、ベッドまで運ぶ。
寝転がったさくらちゃんは大きいサメのクッションを
もそもそと探し、きゅっと抱きしめて小さく寝息を立てる。
さっき大立ち回りをしていた人と
同一人物とは思えないな。
ネ「……じゃあ帰りますからね、」
「………んぅ……やだ…………」
サメのクッションを抱えたまま、
右手だけ俺のパーカーの裾を握る。
ネ「離してください。」
「帰んないで………」
ネ「なんで？てか寝てたじゃん」
「…寂しいじゃん………」
そういうと更に強く裾を握り、
クッションから顔を覗かせて見つめてくる。
俺ほんと、この人がよくわからない。
いつも静かでクールで、たまにお説教もしてくる
どちらかといえばかっこいい寄りの女の人なのに
今日の彼女は甘々すぎる。
もしかしてこっちが本性？
ネ「あのねぇ、、さくらちゃん」
「………んー？」
ネ「俺、男なの、わかってる？」
「……知ってるよぉ」
ネ「ダメだよ、男にそういうこと言っちゃ」
乱れた前髪をそっと撫でると、
気持ちよさそうに目を瞑る。
「んー…？ 違うよ……
寂しいのはネスでしょ…？」
ネ「は？」
「はい、手……」
ネ「なんすか？」
「握って」
ぴっと差し出されたさくらちゃんの白い手を
言われるがまま握ると弱く握られる。
「最近頑張ってたもんねー…
たまには甘えていいよ……？」
ネ「は、なんの…」
「泣いてるの…？」
さくらちゃんのその言葉に反応して
自分の頬を撫でると、涙が一筋。
は？なにこれ……止まらないし…
「よしよし、おいで……」
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作者名：まるさ | 作成日時：2022年12月12日 11時
