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Ren side
ほんの小さな賭けだった。
廉「だったら、卒業したら大阪来やん?」
なんて。
廉「俺卒業したら一人暮らしするって決めてて。
だから菜々が紫耀を諦めるまででも、どうかな。」
ボロボロになってるAを助けたい一心だった。
一人暮らしなんて考えてもいなかったし。
案の定Aは困ってるし、考えといてなんて言ったけど
Aは結局、紫耀から離れられなくて断られるんだろうなと思ってたのに。
「…行ってもいいかな、」
上目遣いで俺を見上げ、遠慮気味にそう言った。
あのAが、ずっと紫耀の隣にいたAが、
紫耀から離れようとするなんて自分で誘ったくせに驚いた。
でも、俺の中で何か決心が着いた。
あの後俺は家に帰って、速攻親に一人暮らしがしたいとお願いした。
最初は一人暮らしなんてお金が掛かるからまだいい
と反対された。
だけどバイトしてコツコツ貯金していたし、
元々行きたい大学があったから、何度も説得してやっと、そこに合格したら一人暮らしをしていいと許可を貰った。
俺は勉強もバイトも頑張って、無事に志望校を合格した。
改札から見えたAは涙で目が真っ赤で、
最初の方はたまにぼーっとしていたり、
時折何かを思い出したのか泣きそうになったり。
俺は、俺に出来ることを必死にやった。
Aが笑ってくれるなら、何でもした。
少しずつこっちの生活に慣れて、
ふいに泣きそうになることもなくなって、
Aが笑顔でいることが増えた。
このまま完全に紫耀を忘れてしまえばいい。
そしてAがこの先誰かに恋をしても、
その相手が俺じゃなくても、
Aを幸せにしてくれるならそれでいいと思った。
だから、同窓会なんて行かなきゃよかった。
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れお(プロフ) - 完結おめでとうございます!!主人公ちゃんの恋が実ってよかったです!!特に夏祭りのシーンが1番好きでした!! (2020年7月17日 23時) (レス) id: d4f299bb85 (このIDを非表示/違反報告)
かいとん - おめでとうございます!とっても読むの楽しかったです! (2020年7月17日 23時) (レス) id: fb912074b2 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 完結おめでとうございます!毎回キュンキュンさせてもらっていました…!主人公ちゃんが離れてからの紫耀くんサイドとか書くつもりはないですか…?別れ方とか経緯とか知りたいです!あと良ければアナザーストーリーも読んでみたいです!! (2020年7月17日 20時) (レス) id: 22f4b229dc (このIDを非表示/違反報告)
かいとん - んあー……続きが気になりますッ! (2020年7月5日 0時) (レス) id: fb912074b2 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 紫耀くんとのハッピーエンドが見たいです!更新楽しみにしています! (2020年6月26日 9時) (レス) id: 7f99bf756c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コビト | 作成日時:2020年6月14日 22時