裸の心。

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いつか、いつか気持ちを伝えなきゃ。と言い聞かせながら
今までわたしなりにアピールしたつもりだった。





紫耀が風邪を引いた時、傍にいたのはわたし。

紫耀がリレーのアンカーで1位でゴールした時、
1番近くで見て喜んだのはわたし。

紫耀の誕生日を毎年お祝いしたのはわたし。

クリスマスもお正月も一緒に過ごしたのはわたし。




そうやってわたしなりに紫耀との時間を大切にしてきた。愛していた。


言葉で言わなくても、気持ちは伝わると。







そして今も、





憂鬱で長かった学校から帰ってすぐ
紫耀はわたしの家に来た。





『今日ごめんね。朝も休み時間も行けなくて。』

「ううん、全然大丈夫だよ。」

『…大丈夫なの？』

「…え？」

『Aは俺に会えなくて、大丈夫だったの？』




少し寂しそうな表情でわたしを見つめ
そんなことを言う。




『俺はAに会いたかったよ。』




どうしてそんなこと言うの？




『Aは？』

「…彼女いるのにいいの？」

『何で？Aは大事な幼馴染だよ。
それとこれとは別だよ。』




ああ、そっか。

わたしは最初から紫耀に幼馴染としてでしか見られてなかったんだ。




「…紫耀が来てくれて嬉しいよ。」

『よかった。』





それでもいい。


いつか、いつか、この気持ちが紫耀に届いてほしい。

いつか、この恋が実りますように。




諦めなきゃいけないのに
今も私は紫耀のことが大好きで、

紫耀に恋をしている。









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