____Destiny. (ページ13)

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先輩は何も悪くないのに何度も何度も謝ってくれた。

紫耀「ねぇ」

『はい？』

紫耀「俺彼女居ないしさ、それ…Aちゃんが持っててくれないかな？」

先輩は私の手にある小袋を指さした。

紫耀「それからさ…メイド、すっげぇ似合ってる」

『………っへ？』

突然の言葉にとても間抜けな声を出してしまった。

紫耀「1番可愛いよ」

『………///』

紫耀「良かったらLINE教えてよ」

『な、なんかそれナンパみたいですよ』

紫耀「ちげぇよ！(笑)じゃあどうすれば教えてくれる？」

『いや全然教えますよ！てゆかいいんですか？私なんかとLINE交換しちゃって…』

紫耀「え、なにダメなの？もしかして彼氏いたりする…？」

『えっいないですよ！？』

紫耀「良かった…(笑)」

良かった…？その言葉の意味が理解出来ないまま先輩は携帯を取り出しLINEのアプリを開きQRコードを見せてきた。

それを無言で読み取り、平野先輩のアカウントを追加登録した。

『ありがとうございますっ』

紫耀「いやいや、こちらこそありがと。この後まだメイドさんやんの？」

『んー、後10分くらいでシフト交代ですかね！』

紫耀「そかそか。俺らもそろそろ長居しすぎだから戻ったら出るわ(笑)」

『結構居ましたね(笑)是非他のとこも回って来て下さい！』

紫耀「うん、ありがと。じゃあ又連絡するね」

『は、はいっ！』

また、先輩の男らしい逞しい腕が伸びてきて私の頭を優しく二度撫でた。

紫耀「ほんと、気を付けなよ？」

『……へ？』

先輩は私の頭に手を乗せたままそう言った。

その先輩の腕が勢いよく頭から降ろされた。

『…っ！？』

海人「おい、後輩からかって遊んでんじゃねぇよ」

『海人…？』

先輩の腕を振り払ったのは海人だった。

紫耀「海人、久しぶりだな！Aちゃんと同じクラスだったんだな」

海人「紫耀には関係ないでしょ」

『…………え？海人…紫耀…？』

紫耀「あれ、海人お前話してないの？」

海人「話す必要ないじゃん」

『なに？海人、先輩と知り合いだったの？』

海人「…紫耀とは昔習ってたダンス教室が同じで一緒に踊ってた」

『えええええ、そうだったの！なんで言わないのよ！』

海人「なんで言わなきゃなの」

紫耀「ごめんびっくりさせちゃったね(笑)てか海人、Aちゃんの事からかってたわけじゃないよ？」

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