深澤センパイの思惑通り。②［紫］ (ページ9)

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無事、康二を送って行って最寄り駅に着いた。雨が降り出してたからコンビニで傘だけ買って家路を進んでいれば傘もささずあるく女性がいて。

近づくとAだと分かって、すぐに声をかけた。

そしたら泣き出して、もう俺は何が何だか分からず。

こんな濡れてるし、とりあえずうち、

『家近いから行こ。』

びしょ濡れのAの手を取って、傘へ入れる。

···· 手、冷た、先に風呂入れないとな。

風呂に入れて、話を聞けばふっかさんの部屋から女の人がでてきた、って話だった。

それで傷ついて、悲しんでるAを見てたらなんだかほっとけなくて思わず言ってしまった。

『·····ねぇ、俺じゃだめ、？Aのこと不安にさせないし、泣かせない』

どうせ言ったところで俺を好きになってくれるわけなんてある訳もないのに。

Aはつらつらと嬉しい言葉を沢山並べてくれて、でも、やっぱりふっかさんには勝てなくて。

そんなの、

そんなの知ってる、俺が1番知ってるよ。

ふっかさん、優しいもん。女の子の扱い方上手いし。だけどね、それが今、Aを苦しませてるんだって思ったら居てもたってもいられなくて。

先に寝てしまったAを横目に、俺には何が出来るんだろう。なんて柄にもなく考えてしまった。