深澤センパイの思惑通り。②［紫］ (ページ7)

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▽ ページ7

▽あなたside

タクシーが止まって、深澤さんを支えながら降りて、お金を払う。

『深澤さん、何階ですか』

深「んー、ご、」

エレベーターに乗って、5階のボタンを押して、少しすればすぐに目的の階に着く。

『何番ですか、お部屋』

深「505」

505、505、あ、あった。

『深澤さん、鍵』

深「ぽっけ、」

ポケットに失礼して、手を突っ込んで探していると、チャリン、と音がして掴むと鍵だった。

それと同時にまさかの扉が開いて、私とは真逆のタイプの綺麗な大人っぽい女性が立っていた。

〈あ、辰哉何してんの。も～すいません。〉

深「あーなにしてんのー」

『あ、や、こちらこそ、お願いします。』

深澤さんの部屋から女の人が出てきたことに耐えられなくて、女の人に深澤さんを預けてマンションから飛び出した。

彼女、居るなら居るって言ってよ。あの人、どう考えたってそうじゃん、じゃなきゃ家いるとかおかしいもん。

こんなに好きにさせておいて彼女居るとか、本当に有り得ない。どうしてくれるんだ、私のこの気持ち。

とぼとぼ駅へ向けて歩いていたら、雨が降ってきて、傘なんて持ち合わせてるわけがないし、コンビニに入って買う気にもなれない。

雨も降るし、最悪だなぁ、そう思いながら歩いていたら、

「···· A？」