深澤センパイの思惑通り。②［紫］ (ページ23)

今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:167,206 hit

▽ ページ23

▽あなたside

さっきまでふわふわしていた感覚がどんどん研ぎ澄まされて、一気に現実に引き戻される感覚。

もはや寝落ちて、夢でも見ているのかも、なんて冷静に考えることさえできる。

··· 深澤さんが、私を、すき？

そんなわけ、

深「ずっとアピールしてたつもりなんだけどなぁ。」

『や、そんなわけ、』

深「ある。まだ信じられない？」

そりゃあ、信じられるわけが無い。

だって社内で人気高い深澤さんに、好きだ、なんて告白されているんだもの。

掴まれていた腕をぐっと引かれ、さらに距離を詰められて、ふわりと唇が重ねられる。

『っ、ふかざわさ、いま、』

深「ふは、顔真っ赤じゃん。かあいいからちゅー、したくなっちゃった。」

深澤さん、ほんとに私の事が好きなんだ、と受け入れる他、術がなくて。

深「で、Aちゃんは？」

『··· 分かってますよね、』

深「言って欲しいもん。ね？」

『わたし、も、深澤さんがすき、です、』

深「ふふ、うん。知ってる。付き合おっか。」

あまりにもすんなりこうなってしまって、まだ夢なんじゃないかと思ってしまう。

『··· どうしよ、まだゆめみたい、』

深「えーならもっかいちゅーしとく？」

そう言いながらほんとに近づいてくるから、なんとか距離を保つ。

こんなの、私には甘すぎる。溶けてなくなってしまいそう。

深「とりあえずAちゃん家まで送ってくから、タクシー乗ろ。」

アルコールの入った体はタクシーの揺れで睡魔がまた舞い戻ってきて、深澤さんの肩に頭を預けて寝てしまった。