深澤センパイの思惑通り。②［紫］ (ページ22)

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▼深澤side

「んぅ、あべさん、」

阿「Aちゃん、俺会社戻んないと行けなくなっちゃったからふっかに送って貰って？」

「··· ふかざわさん、」

酔ってるのと寝起きなのとが相まっていつもよりふわふわした話し方。

「やだ、あべさん、」

阿部ちゃんの腕を掴んで、俺を拒まれたのが結構ショックで。

けど、だからって阿部ちゃんを選んだのがなんか嫌で。

『Aちゃん、帰ろ。』

「ふ、かざわさん、」

Aちゃんの腕を掴んで、店を出た。

「ふかざわさん、やだ、」

『··· Aちゃん、なんか勘違いしてるよ。』

「ふかざわさん、かのじょ、さんいるじゃないですか、」

ほら、やっぱり。姉ちゃんと勘違いしてる。

『あれ姉ちゃんだよ。』

「···へ、」

『この前部屋まで送ってくれた時姉ちゃんと会ったんだよね？』

「だって、へやぎ、だった、し、」

『うん、姉ちゃんだよ。』

少し赤かったくらいの頬は真っ赤に染まっていく。

「かのじょ、さんかと、おもいました、」

『だから最近冷たかったの？』

「····」

静かにこくっと頷くAちゃんが可愛くて抱きしめたい衝動をぐっと抑える。

『··· それってさ、期待、していいの？』

「··· ふかざわさ、」

『Aちゃん、好きだよ。』