深澤センパイの思惑通り。②［紫］ (ページ3)

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▽あなたside

定時ちょっと過ぎに終わった仕事。

阿部さんも同時に終わったみたいで、

阿「よし、行こっか。Aちゃん」

『あ、先にちょっとお手洗いに、』

阿「待ってるからゆっくりしておいで。」

柔らかな表情を浮かべながら送り出してくれて、やっぱり阿部さんもモテる方なんだな、と再認識させられて。

少し髪を整えて、メイクも少し直してリップなんかも塗り直して。

『 ···· 気合い入りすぎかな、』

でも、少しくらい意識されたい。そう思って頑張ってみようかな、なんて私らしくないな。

恋する乙女、って大変だなぁ、とか自分のことなのに他人事のように思えてしまった。

お手洗いから出ると、傍にあるソファに腰掛けて待ってくださってる阿部さんを見つけた。

『すいません、お待たせしました。』

阿「ううん、大丈夫だよ。ふふ、可愛くしてるじゃん。」

『····モテる人って女の子が喜ぶことすぐ言えますよね。』

阿「あはは(笑)俺、モテるって思われてるんだ。ふっかに言われなきゃ嬉しくない？」

『嬉しいですけど、』

やっぱり1番深澤さんに言われたい。

阿「さ、行こうか。待ってるし。」

そう言えば、何人での飲み会なのかもどこで飲み会なのかも知らないし、知らされてないや。