深澤センパイの思惑通り。②［紫］ (ページ11)

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▽あなたside

こういうときほど、会ってしまわないか、ドキドキしながら出社。

見事に会わずに済んだ。

済んだんだけど。

阿「なんかあった？ふっかと」

『や、別に。特に。』

阿「ふーん、」

阿部さん、絶対気づいてるやつじゃん、私と深澤さんが何かあったんだって。

いいや、私と深澤さんでは無い、私が個人的に勝手に、傷ついてるだけだ。

別に深澤さんは悪くない。

····· いや、3割くらい悪いか。こんなに好きにさせておいて、彼女とか。

でも、深澤さんだよ？

あの深澤さんだもん、彼女居たっておかしくない。優しいのは、私だけじゃない。

女性社員みんなだし、男性社員にも優しい。

天然人タラシってあの人のためのような言葉じゃない。

初めて会った日から私の中に入り込んで出ていってくれずに、ずーっと。

きっとあの時から私は、深澤さんを好きだったんだ。

阿「何考えてんのか分かんないけど、秘めとくだけじゃ相手には伝わらないよ。言葉にしなきゃ。」

そんなのは分かってる、ずーっと分かってるけど、

『 ···· 出来てたらこんなに苦しんでません、』

阿「苦しくてなんぼ、辛くてなんぼでしょ、恋愛なんて。それか、辛いし、苦しいならふっかのこと好きなの辞める？」

『····· そんなの、むりです、』

阿「辞めれないんでしょ。なら、好きでいいじゃん。」

そうだ、辞めれるもんなら辞めてる。

辞められないからこうして今も、好きなままなんだ。