深澤センパイの思惑通り。［紫］ (ページ17)

今日:3 hit、昨日:39 hit、合計:542,001 hit

▽ ページ17

▽あなたside

折角の休みなのに二日酔いのせいでなんにもしたくなさ過ぎて、ゴロゴロ1日過ごした。

次の日、朝起きたらもう出勤の日でほんとに憂鬱になった。

満員電車にもまれて、降りたい駅で降りれそうになくて遅刻確定じゃん···って項垂れていると、急に腕を引かれて電車から体が出た。

何事！？と驚いて、繋がれた手の先を見たら佐久間さんが居て。

『さ、佐久間さん、』

佐「Aちゃんだよねー！佐久間さんのことご存知かー！」

『阿部さんから聞いてます』

佐「阿部ちゃんか！ほんともうー阿部ちゃんも俺の事好きなんだから～せっかくだし、一緒に行こーよ」

なんて、初対面なのに一緒に出社とか私、そろそろ女性社員に目付けられて終わるかも、

『佐久間さんたちっていっつも仲良いですよね』

佐「まぁね～長い付き合いだし！ふっかと翔太と涼太は高校からだしねー！凄いでしょ？」

にひひ、と笑う佐久間さんは無邪気で、ほんとにわんこみたいに人懐っこくて可愛らしい人だなと思った。

ふわふわの金髪に触れてみたいなって思ったらもう手が伸びてて、ふわふわとしていた。

佐久間さんは、一瞬驚いた顔をしたけど、すぐ目を細めて気持ちよさそうにした。

····· ほんとに犬みたい。

佐「Aちゃんの手、暖かいね」

『佐久間さんって、わんちゃんみたいですね。ふわふわしてて、人懐っこくて、』

佐「えーそうかなぁ。Aちゃんは、寂しいうさぎみたい。1人ぼっちで、寂しがってるうさぎさん。」

急にそんなこと言われたから驚いて佐久間さんを見れば、何一つ表情を変えず、言葉を紡いでいて。

全部見透かされるんじゃないかと恐怖さえ抱いた。

佐「なぁーんてね！あっ、やっば！また照に怒られる！じゃあね！」

着替えて、いつもの自分のデスクへ腰をおろせば阿部さんがすぐ傍に来た。

阿「今日は佐久間と一緒だったの？」

『はい、たまたま。電車で降りれそうになかったとこを助けていただいて。』

阿「朝凄いもんねー」

部長の(今日も頑張ろうね～)の声掛けで1日が始まった。