▽ ページ13
▽あなたside
お店に入れば、深澤さんの音頭で飲み会が始まった。
私と阿部さんは端っこの方。
阿部さんと仲良い皆さんは私たちとは全然離れた位置に。
····· ほんとに良いのかな、折角楽しい場なのに。
グラスを持って、私の方は見ず、阿部さんは「まーた変な事考えてるでしょ。俺がここに居たくて居るんだから、そんなAちゃんが負い目感じる必要ないでしょ」なんて言葉をかけてくれた。
そうなんだけど、そうなんですけど。
周りの女性の視線がとっても痛いんです、
阿部さんもモテるの完全に忘れてた。
『あの、阿部さん、他の方も阿部さんと話したいみたいですし、私は大丈夫なので。』
ぐぐっと押せば少し躊躇いながらもそっちへ行ってしまった。
遠くの方で大きな声が聞こえて、「阿部ちゃーーん！！！」と阿部さんを呼ぶ声がした。
ちらっとそっちへ目をやると7人集まっていて、阿部さんにぎゅうぎゅう抱きつく金髪のふわふわ頭さん。その後、阿部さんの声がして、「もう〜佐久間苦しいよ」と言っていて、あぁ、あの人が佐久間さんなのかと。
そして、その7人の周りには可愛らしい女性社員ばかりだった。
ほんとに7人仲良しなんだなぁと思ってたら深澤さんと目が合ってしまった。
その瞬間、深澤さんはふにゃと笑って手を振ってくれた。
どう反応すれば良いのか分からず、控えめに手を振り返しといた。私じゃなかったら嫌だし。
そしたら、深澤さんが立ち上がって、「そ、っ、ち、い、く、ね」と口パクで伝えてきた。
え、そっち行くね？え、来るの？
なんて軽くパニクってたらあっという間に隣には深澤さんが。
···· どうしよう、緊張する、
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作者名：速水 。
| 作成日時：2020年12月12日 1時
