16.救い。 ページ18
『…お願いしますって』
聞き間違いだと信じて、再度お願いをしてみるものの………。
「やだ」
私の小テストに目を向けたまま、ぶっきらぼうにそう言い放つ月島。
なに?なんなの?ただでさえクソノッポメガネ野郎なのに更にそれに加えてクソドケチ野郎も追加されたいの???
『…………なんで』
ジト目で目を向けてみると、
チラリ、とこっちを見た月島が、小テストを突きつけてくる。
「救いようのない馬鹿すぎて時間をかけるのが無駄だから。」
『どーいう意味それ!!?』
突きつけられた小テストをぐしゃりと掴み、月島を睨む。
ただ、身長差がアレで、座高もアレなため、(察してください。)
月島に見下される形になっている。
「どうもこうも、」
そう言いながら私の解答を指さして、フッと嘲笑ってくる。
「ここ。
なんで疑問文にしろって書いてあるのに、“Yes“って書いてんの。」
しかも答えNoだし、と口元に手を当て、ププ、とやらしい笑い方をしている月島。
え、うざい。
切実にうざい。
小テストをぐっちゃんぐっちゃんに握り締め、今にもビリビリに破りさいて月島に殴りかかりそうになった時。
ちょっと前に、スガ先輩に言われたある言葉を思い出した。
____「もし月島に煽られたら、煽り返してみたらいいんじゃないか?」
煽り返す。
ニヤリ、と笑って、そうかそうか、へぇーーそうなのかぁ、と繰り返し言う私に、気味悪がる月島。
引いてられんのも今のうちだぞこのやろ。
「なに突然………気持ち悪いんだけど…………」
『月島ほど頭がいいなら、私に英語の小テストで80点取らせる事ぐらいできるんだと思ってたよーーー。
月島には無理かー!!!ざんねーーん!!!』
ガタッと席を立ち、見下すようにして月島を見ながら、グシャグシャの小テストを弄ぶ。
スガ先輩のお教え通り、見事に煽りに乗ってくる月島。
ピキッと青筋を浮かべ、怒りの色1色に染まる月島の顔。
表情筋はそこまで動いてないけど、雰囲気が。明らかに雰囲気が変わった。
「……………て」
『え?』
「教科書とノート開いて。ほら早く。」
トントン、と机を叩き、早くしろと促してくる。
『え、さっき救いようのないって言ってたじゃん!』
ほんとに教えてくれるのかと驚いて、目をぱちぱちと瞬かせる。
月島は、はぁ、と息を吐くと、口を開き、こう言った。
「僕には救えるから。」
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抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年6月30日 8時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみるく(プロフ) - にゃそさん» ありがとうございます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: b734a4fc0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃそ(プロフ) - めぐみるくさん» いえいえ、こちらこそ!この作品大好きなので更新頑張ってくださいね!応援してます! (2019年8月26日 19時) (レス) id: e76b314c45 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみるく(プロフ) - にゃそさん» うわぁああぁあご指摘ありがとうございます!!すみません、調べが足りなかったです………。 (2019年8月21日 0時) (レス) id: b734a4fc0a (このIDを非表示/違反報告)
めぐみるく(プロフ) - すばるさん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月21日 0時) (レス) id: b734a4fc0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぐみるく | 作成日時:2019年8月14日 11時