・ ページ20
・
『無一郎、暑いからくっつかないで』
アイスを食べ終えて肩に寄りかかってくる無一郎を
押し返そうとしたけど重くてビクともしない。
「だって、寄りかからないとこっちに全然扇風機の風
届かないんだもん。場所変わってよ」
『やだよ。扇風機の風届かなくなるじゃん』
「もう暑くて死にそうなんだよ。年下に譲ってよ」
『こういう時ばっか年上扱いしてくる!!
死んでも譲ってやらないからな!!!』
「そうやって従弟に意地悪ばかりしてるから
貧乳なんだよ。分かってる?」
今それ関係ないだろ!!
貧乳じゃ悪いのか!?
謝れ!!私に!!!
「そういう無一郎も従姉に生意気な事ばっか言ってるから
お姉さんに逆ナンされて固まっちゃうんだよ。分かる?」
「それ兄さんの事じゃん」
「何か言ったか?」
新聞紙を折りたたんだ有一郎はじっ…と私を
睨み付けてきた。
話逸らそ。
『クロスワード解けた?』
「あぁ。このクロスワードの答えは "
ドヤ顔で言われた。
こういうところは少し子どもっぽいかも?
「あ、僕、前世の記憶あるよ」
『へ〜そなんだ』
「信じてないでしょ」
無一郎はムッとした顔で「貧乳のくせに」と付け足した。
なんでだよ。貧乳だって良いだろ。
「無一郎の前世はなんだったんだ?」
「はっきりは分からないんだけど、僕は刀持ってて…
それで鬼?みたいなのを退治してた……と思う」
『え〜、桃太郎だったって事?』
「う〜ん…分からないけど、そうなのかな」
このぼんやりした無一郎が桃太郎とか全然想像
つかないな。きびだんごとか全部1人で食べてそうだし。
どうせ、昔見た夢を前世だと思い込んでるだけでしょ。
『私の前世は何だろうな〜。どこかのお姫様
だったりして!』
「冗談やめろよ。お前が姫君なんて俺が許さない。
そんな国滅ぼしてやる」
『親の
有一郎はテレビのリモコンを持って、チャンネルを
時代劇(再放送)に変えた。
「あ!これ、僕が好きなやつだ」
「再放送やってたんだな」
…なんで君たち兄弟は
別に悪い事ではないけどさ。今時の中学生じゃないよね?
・
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (11月8日 11時) (レス) @page19 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
朱雀(プロフ) - ぜひ続けていただきたいです、、、 (9月12日 0時) (レス) @page23 id: 131bb88990 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンライト - 更新楽しみにしてますッッッ!!!!! (8月27日 8時) (レス) id: 1121998891 (このIDを非表示/違反報告)
結紫(ユウシ)(プロフ) - 更新楽しみに待ってますー! (8月22日 11時) (レス) @page23 id: abeb0036cf (このIDを非表示/違反報告)
ネオンライト - 面白すぎて、無事一人でゲラゲラ笑ってしまいました。(事後報告) (8月20日 13時) (レス) @page23 id: 1121998891 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:海の藻さん | 作成日時:2023年8月2日 7時