09.約束 ページ9
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「よし！じゃあ帰るか」
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そう言って立ち上がると、飲み干した缶を袋にまとめてくれる渡辺さん。
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「あの、見ず知らずの私の話を聞いてくれてありがとうございます」
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例え初対面の人だったとしても、最後まで話を聞いてくれたのは私の中で大きかったし嬉しかった。
本当に、初対面が渡辺さんで良かった。
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…てか渡辺さんが居なかったら、今頃どうなってたんだろうって思うとゾッとする。
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「全然？たまたま通りかかっただけだし、あと女の子だし(笑)」
「…もしかして、ナンパ目的だったの！？」
「いや、違うから！そんなことないから！」
「知ってる(笑)」
「んだよ、お前。さっきまで泣いてたくせに！てか敬語使えよ」
「まだそんなこと言ってるの？引きずるね〜。」
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ふふ、と笑うと渡辺さんが突然私の方に歩み寄ってきた。
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「え、なに？どうしたの？」
「んー。」
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あれ、思ってたよりも身長高いんだ。しかも脚長！
…なんて呑気なことを考えていたら頬に手が添えられて肩がぴくん、と跳ねた。
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「一つだけお願いがあるんだけど、聞いてくれる？」
「は、はい」
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さっきとはうってかわって無邪気な笑顔から、色っぽい表情みせる渡辺さんに不覚にも心臓がドキドキと鳴る。
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「お礼とかはいいからさ、その代わり俺の名前を絶対覚えてて」
「え…名前？」
「そう、名前。やっぱり名前覚えてもらうのって大事じゃん？」
「うん、まあ。大事だけど…なんで名前？」
「まあ、それはね。おいおい分かってくるから」
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するり、と指先が頬をつたって渡辺さんが離れた。
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「もう夜も遅いし、タクシー拾って帰るか」
「…そうだね」
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隣を歩いている渡辺さんは嬉しそうに”楽しみだなあ“なんて言ってるけど、本当になんなんだろう。
なんで名前なんだろうって疑問が残ってモヤモヤするけど、渡辺さんに言ってもそう簡単には教えてくれないだろうなあ。
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おなべ(プロフ) - 秘 月さん» 読んで頂き有難うございます♡！お気に入りだと言って頂けてとても嬉しいです´›﹏‹`更新頻度に差がありますが、是非最後まで楽しんで読んで頂けたらと思いますˊᵕˋ (2022年6月24日 21時) (
レス) @page39 id: dc1f7e9b19 (このIDを非表示/違反報告)
秘 月(プロフ) - コメント失礼します…！ このお話ほんっとにお気に入りで、渡辺くんとの関係性とかも毎回ワクワクしながら読んでます！ 作者様のペースで更新頑張って下さい^^ (2022年6月24日 16時) (レス) @page38 id: 269ba6d569 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おなべ | 作成日時：2022年5月12日 22時
