37.「アイドルの渡辺さん」 ページ37
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「急にどうしたの？」
「…なんもない」
「ちょっと、あんだけすごい勢いで言ってきてなんもなくはないでしょ(笑)」
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髪を直そうとしているのか。
今度は、帽子まで脱ごうとするから。
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「アイドルだから、ダメじゃん！バレちゃうよ！ばか！」
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歩いていた足が止まり、私をみて一瞬、ポカン。とした表情をみせたけど。
しだいに口角が上がっていくのがみえた。
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「もしかして、俺の事知ってくれた？」
「…たまたま、街中歩いてたらSnowManの映像が流れてて…それで見つけただけだから！」
「え？お前なに？ツンデレなの？」
「違う！」
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にやにやしながら言ってくるから、必死に弁解するけど。
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「ふうん、そっか。」
「…」
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ずっと、こっちをみて変わらずにやにやしてくるから腹立つ！
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「…ね、俺に会いたかった？」
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ひとしきり笑った彼はふと、そんなことを聞いてきて。
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「こっちみてよ、平井さん」
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痛いほど視線が刺さるから、渡辺さんをみると
口角をあげ、優しい目付きで私を見る彼は、さっきとは同一人物だと思えないほどのかっこいい“渡辺さん”が瞳にうつった。
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「…会いたかった。」
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たった一言、されど一言。
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“会いたかった”なんて言葉は、日常的にもよく使うけど。
今、この瞬間の“会いたかった”は。
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「…なんでまた顔背けるの(笑)」
「…っるさい！」
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なんだか、恥ずかしくて。すっごいドキドキした。
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おなべ(プロフ) - 秘 月さん» 読んで頂き有難うございます♡！お気に入りだと言って頂けてとても嬉しいです´›﹏‹`更新頻度に差がありますが、是非最後まで楽しんで読んで頂けたらと思いますˊᵕˋ (2022年6月24日 21時) (
レス) @page39 id: dc1f7e9b19 (このIDを非表示/違反報告)
秘 月(プロフ) - コメント失礼します…！ このお話ほんっとにお気に入りで、渡辺くんとの関係性とかも毎回ワクワクしながら読んでます！ 作者様のペースで更新頑張って下さい^^ (2022年6月24日 16時) (レス) @page38 id: 269ba6d569 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おなべ | 作成日時：2022年5月12日 22時
