肆拾玖.感謝 ページ4
「A 大丈夫か」
義勇が私の顔を覗き込んできた。
日中の訓練をしている義勇を見つめながらその時のことを思い出していた。
結局、産屋敷耀哉は私を殺すことなく受け入れた。
鬼の気配を消し、人型になり、人を喰らわず鬼を喰らうのは珍しいと。
危害を加えることがないと分かると私は義勇のそばにいることを許された。
そして義勇は、私を他の柱に受け入れされる為に必死で己を叩き上げた。
自分が弱くては私を護れないと。
他の柱は鬼殺隊でない私を義勇が連れている事に不審感を抱いていた。
不死川実弥には胸ぐらを掴まれ、地面に叩きつけられたこともあった。
お前の目的は何だと。
産屋敷からの鴉によってその場は収められたが、次の日からは誰も何も言わなくなった。
その日は柱合会議が開かれた後だったらしい。
産屋敷が何かを言ったのか、義勇は何も教えてはくれなかった。
「大丈夫です
少し考え事をしていただけで」
道場の中は陽も照っておらずフードは軽く被っていた。
この羽織は、錆兎のものから作られたらしい。
最終選別のあの日、錆兎の羽織を鴉に運ばせ一つ一つ繊維を解き特別な繊維と共に一から創り上げてくれたみたいだ。
産屋敷が私のことをいつから知っていたのか、何故錆兎の羽織を鴉に運ばせたのか、
全くと言っていいほど全部が分からないが
私のことを生かしておいてくれて、
挙句義勇のこともなんの咎めも無しで済ましてくれた。
感謝の気持ちを抱くことしか出来なかった。
1294人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とく(プロフ) - とても面白いです!続き待ってます! (7月20日 19時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - とても感動しました。続きお願いします! (2020年3月21日 22時) (レス) id: 267821d46f (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 続き楽しみにしてます!応援してます!! (2019年9月6日 20時) (レス) id: 9e76d01d1a (このIDを非表示/違反報告)
笑陽(プロフ) - 続きが気になります!! 更新待ってます!!!!!!!!!!!!! (2019年8月11日 1時) (レス) id: f0261dc739 (このIDを非表示/違反報告)
純(仮) - 続き凄い気になります (2019年7月24日 17時) (レス) id: b6bc3c9cb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:捺稀 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年5月15日 0時