陸拾漆.怒った背中 ページ22
刺さっていた刀を抜き、そのまま鬼の頚をめがけて振り下ろした。
ボロボロと崩れていく体。
最後まで涙を流しながら、男は消えた。
持っていた義勇の刀を本人へ突き返す。
何をしているんだとでも言いたげな顔をして、義勇は口を開いた。
「A なんの真似だ」
眉間にシワがよっている。
苛ついている様子だ。
「腹が満たされてます
もういいです」
「最後に鬼を喰べたのはもう三日も前だ」
確かにそうだ。
空腹感は昨日よりも増している。
力も弱まっている。
けれど...
「義勇 私は確かに今まで鬼を喰ってきました
それは生きる為でもあり人を喰わない為です
けれど
もう鬼は喰いたくない」
義勇は顔を伏せていた。
刀を持つ手が震えている。
カタカタと、物音を立てて。
「ふざけるな!!」
義勇が、叫んだ。
肩がビクリと跳ね上がる。
怒鳴られたことが怖くて、それと共に驚いた。
そんな私を見た義勇はハッとして背中を向けた。
「帰るぞ」
刀をしまい、そのまま歩き出してしまう。
義勇が怒鳴ったところは見たことがなかった。
何に対して怒ったのか分からない。
けれど義勇は確かに私へ怒りを向けた。
前を歩く義勇の背中と、
ギリギリと力強く作られた拳を私は静かに見つめた。
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とく(プロフ) - とても面白いです！続き待ってます！ (7月20日 19時) (
レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - とても感動しました。続きお願いします！ (2020年3月21日 22時) (レス) id: 267821d46f (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 続き楽しみにしてます！応援してます！！ (2019年9月6日 20時) (レス) id: 9e76d01d1a (このIDを非表示/違反報告)
笑陽(プロフ) - 続きが気になります！！ 更新待ってます!!!!!!!!!!!!! (2019年8月11日 1時) (レス) id: f0261dc739 (このIDを非表示/違反報告)
純（仮） - 続き凄い気になります (2019年7月24日 17時) (レス) id: b6bc3c9cb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：捺稀
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年5月15日 0時
