伍拾陸.何故 ページ11
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最初は、何故冨岡さんが幼げな少女を連れているか分からなかった。
呼吸も少ししか遣えず、だからといって特別強いわけでも弱いわけでもない。
何の為に共に居るのか理解し難いことで、理解したいとも思わなかった。
けれど、お館様が言った。
あの娘は病で成長が止まり、日の下にも満足に出られないと。
そんな病は聞いた事が無かった。
ふと、鬼ではないか
と思ってしまった。
けれどお館様は病と言うだけでただの幼い子供だと、そう言いきった。
「冨岡さん」
西の里に来て一日目の夜、誰も住んでいない民家に私達は居た。
鬼と人を見極める為の調査だ。
この民家に身を隠しながら、私は離れたところで背を向けて座っている彼に声をかけた。
返事もせずに振り向こうともしない。
この男はAのことにならないと全く感情をあらわにしない。
背後から殴ってやろうか。
そう思ったが、心を落ち着かせて話を続けた。
「Aは一体何者ですか?」
その言葉に、顔をこちらに向ける。
何処と無く殺意を感じた。
「正体が分かったところで何もしませんよ
ただ 何故初めて出会ったあの日から1ミリも成長せず
日の下に居る時だけフードをかぶっているのか気になっただけです」
言い終わった途端に衝撃を感じた。
彼は私の胸倉を掴み、冷静を装いながらこう言った。
「Aに何かすれば殺す」
冷たい瞳で。
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とく(プロフ) - とても面白いです!続き待ってます! (7月20日 19時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - とても感動しました。続きお願いします! (2020年3月21日 22時) (レス) id: 267821d46f (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 続き楽しみにしてます!応援してます!! (2019年9月6日 20時) (レス) id: 9e76d01d1a (このIDを非表示/違反報告)
笑陽(プロフ) - 続きが気になります!! 更新待ってます!!!!!!!!!!!!! (2019年8月11日 1時) (レス) id: f0261dc739 (このIDを非表示/違反報告)
純(仮) - 続き凄い気になります (2019年7月24日 17時) (レス) id: b6bc3c9cb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:捺稀 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年5月15日 0時