検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:38,709 hit

12 ページ7

.









北山くんから告白された日から時は経ち夏が過ぎ、秋も越え、冬真っ只中。


彼の所属するサッカー部はあと少しという所で惜しくも敗退してしまい涙ながらに引退。


受験も志望校に推薦入試で合格したらしい。


今の時期3年生は受験シーズンだから授業はなくて、進路が決まっていても決まってなくてもわざわざ学校へ来る人はいない。


遂に北山くんも保健室を卒業かー、毎日欠かさずに顔を出してくれてたから少し寂しくなるな。


「おっすー、仕事サボんなよ」


「でた」


「俺はオバケかよ」


あははって身体を曲げて笑っているのは北山くん。


予想外にも授業もないのに毎日この保健室へやってくるのだ。


…まぁ、正直ホッとしたのは内緒。


あの日からも変わらず彼はここにやって来ていたけど、1つ変わったことがある。


「あんた暇なの?」


「あ?寂しがり屋のAちゃんの為にわざわざ来てやってんだぞ?」


「わかったわかった」


「何だそれ。ま、俺が会いたいからだけどー」


「あっそ」


「照れてた顔もいいね」


眩しいくらいストレートに気持ちを伝えてくるようになったこと。


チャラさは健在だからふざけてるように聞こえるけど、以前は言わなかった台詞をたくさん放り投げてくる。


それにいちいち反応してしまう自分が憎い。


「あと一ヶ月で卒業かー」


そして、最近の北山くんはこうして卒業という言葉をかなりの頻度で口にするようになった。


きっとわたしに彼のことを意識させる為だろう。


そんなことしなくてももう充分意識しているのに。


あと一ヶ月でわたしたちの今の関係は終了し、新しい関係に生まれ変わる。


北山くんはそれを不安に感じているのかもしれないけれど、わたしの中での返事はもう決まってるよ。


いつも北山くんのペースに振り回されっぱなしだから、あと一ヶ月の間わたしがたくさん振り回してあげる。


そして、卒業式当日は思いっきり北山くんからの重たい気持ちに応えてあげる。


わたしがあなたの気持ちに応えた時どんな顔をするだろう?


北山くんとのこれからを想像しただけで楽しいな。


もう離してって言っても離してあげないから。


あなたがそうさせたんだからね。


覚悟しろよ、北山くん。









fin.

〇〇〇〇 New!→←11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (266 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
986人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ビックリトマト(プロフ) - ルチさん» コメントありがとうございます!!一気読みして頂いたんですね!めちゃくちゃ嬉しいです!!引き続き更新して参りますので、応援よろしくお願いします!(;;) (2019年2月25日 14時) (レス) id: 39d91bf835 (このIDを非表示/違反報告)
ルチ(プロフ) - コメント失礼します。とっても素敵な文書でパート1も合わせて一気に読んでしまいました…!今後も楽しみにしています(><) (2019年2月23日 21時) (レス) id: d9572a5cc7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ビックリトマト x他1人 | 作成日時:2019年2月22日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。