【鬼滅の刃】陽光を浴びて泣く君に

第参拾捌話「山奥」 ページ40

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「伊之助 もう一回頼む!!」

「っしゃああああ こいやぁぁあ!!」


鍛錬が終わった後、いつもいつも伊之助に組手と稽古の相手をして貰っていた。

伊之助は元気だから助かる。


死ぬほど刀を振るった。


死ぬ気で伊之助に向かってきてもらった。



じゃないと強くなれない。


あの人の先は越せないんだ。




「ｯはぁっはｯ...」



呼吸が上手くできない。

休みもせず動いていたら疲れるに決まっている。


いや、そんなのはただの甘えだ。


駄目だ駄目だ!!



強くならなきゃ駄目なんだ。




「おい...おい 勘太郎...」


ゼイゼイと激しい息遣いの伊之助。

何故いつも名前を間違えるんだ。




「なんだ...伊之助 休むのか？」

「誰が休むか!!屁でもねぇわこんなもん!!やるぞおらぁぁあ!!」



本当に元気だなぁ。

こんな事で挫けていられない。


もっともっと頑張らなければいけない。






「ｯ＿＿伊之助!!」

「うるせぇ!!お前よりとっくに気づいてんだ!!」



即座に構えた。


匂いがした。



鬼だ。




鬼の匂いだ。









「ここは光が差さないからね 俺はこの場所が好きだよ」





木の上。


そこから声がする。



上弦だ。



上弦の鬼。






「ねぇ Aって子はどの子だい？」










「＿＿は？」




今、この鬼は誰の名前を口に出した？




「猗窩座殿が鬼になるって言ってた子だよ 俺も会ってみたいなあ 会わせてよ




貰うからさ」





ドクンと鼓動が大きく動く。


刀を握る手が即座に動いた。

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