第参拾肆話「扉」 ページ36
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「Aちゃん ご飯貰ってきたよ」
ニコニコと笑いながら部屋に入ってくるのは我妻善逸。
炭治郎と同じ年に入った鬼殺隊の子だ。
私とは同じ歳らしい。
「...が...とう」
私の怪我は、とても酷かったらしい。
左目はもう見えないし、左腕もしのぶさんの薬で何とか動かせるようになっただけ。
骨も何本か折れていた。
声は少ししか出ない。
誰も何も言わないけれど、鬼殺隊の仕事は多分もう出来ない。
人間なのだから。
そんな簡単に治らない。
「炭治郎も伊之助もどっか行っちゃってさ
みんな鍛錬が終わっても元気すぎてついていけないよ」
善逸は私のところにいつも来てはみんなの話をしてくれる。
炭治郎は、
あれから見なくなった。
一度も顔を見ていない。
どうしてか分からなかった。
また、
失っていくのだろうか。
「Aちゃん?」
ひょこっと善逸の顔が目の前に出てくる。
大丈夫と言って、柔い粥を食べた。
何か、ぽっかりと心に穴が空いた気がする。
ぽつんと取り残されたような、そんな感じだ。
「誰か来たみたいだ」
善逸が突然言った。
コンコン__
その部屋の扉がノックされる。
相変わらず耳がとてもいい善逸。
扉の向こうにいるのは聞いたことの無い足音みたいで、首を傾げた。
善逸が椅子から立ち上がり、扉へと向かうとゆっくりと扉を開けた。
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エリ(プロフ) - 面白かったんですけど、最後どうなったのか分かんないです。煉獄さんの妹の夢主はやっぱり死んでしまったんですか?どうして鬼になってしまったのかも分かりません。長文失礼しました。 (2019年7月17日 19時) (レス) id: 5baed310b5 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 喩え貴方を喰ろうともの女の子と思われます (2019年6月1日 18時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - ゆゆ湯さんへ 多分この小説は捺稀さんの別の小説の主人公の女の子が最後に出ているかと思われます。 (2019年6月1日 17時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ - んんん!?私の理解力がないだけかもしれないですけど、最後の方で、夢主がフードを被った夢主と同じ名前の子に殺されましたけど、どうゆうことですか?? (2019年5月26日 20時) (レス) id: 8c0a43e225 (このIDを非表示/違反報告)
捺稀(プロフ) - 紅さん» 此方の作品も読んでくださったのですねありがとうございます。紅さんのコメントを見て私はいつも嬉しく本当に助けられています。このお話を読んで頂けて、挙句煉獄さんのことも好きになって頂けて、本当に本当に嬉しいです。最後まで目を通して頂きありがとうございます (2019年5月7日 23時) (レス) id: 49f76c2279 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:捺稀 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年4月19日 21時