第参拾話「心配」 ページ32
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あれからAさんは蝶屋敷に急いで運ばれ、なんとか一命は取りとめた。
ただ、本当に酷かった。
左目の損傷、体中の骨折、脇腹を抉られ、左腕は使えないほどに負傷が激しい。
本当に致命的だった。
刀も、折れてしまっていた。
けれど生きていた。
もう
今日も俺は、鍛錬を終えてAさんの横たわるベッドの隣に腰掛けた。
「Aさん 今日は善逸と伊之助と3人で鍛錬をしました
善逸は相変わらず弱音を吐きながらだけど
毎日頑張っています
だから...
だからどうか目を覚ましてください」
つらかった。
怖かった。
一命は取りとめたがいつ死んでもおかしくない。
このまま目覚めずに、俺の気づかないうちに死んでしまうんじゃないかって。
少しだけ震える拳を見つめた。
その手に小さな手が重なる。
「うー」
禰豆子がいた。
眉を下げ、不安そうな顔で。
その後ろに善逸と伊之助。
「大丈夫?炭治郎」
「いつまでうじうじしてんだ!!
まだ修行が足りねぇのか!!」
優しい匂い。
みんな心配してくれたのだろう。
嬉しくなった。
「大丈夫だ ありがとう」
大丈夫。
きっと目覚める。
そう信じて待つしかないんだ。
俺はみんなと共に、静かに部屋を出た。
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エリ(プロフ) - 面白かったんですけど、最後どうなったのか分かんないです。煉獄さんの妹の夢主はやっぱり死んでしまったんですか?どうして鬼になってしまったのかも分かりません。長文失礼しました。 (2019年7月17日 19時) (レス) id: 5baed310b5 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 喩え貴方を喰ろうともの女の子と思われます (2019年6月1日 18時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - ゆゆ湯さんへ 多分この小説は捺稀さんの別の小説の主人公の女の子が最後に出ているかと思われます。 (2019年6月1日 17時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ - んんん!?私の理解力がないだけかもしれないですけど、最後の方で、夢主がフードを被った夢主と同じ名前の子に殺されましたけど、どうゆうことですか?? (2019年5月26日 20時) (レス) id: 8c0a43e225 (このIDを非表示/違反報告)
捺稀(プロフ) - 紅さん» 此方の作品も読んでくださったのですねありがとうございます。紅さんのコメントを見て私はいつも嬉しく本当に助けられています。このお話を読んで頂けて、挙句煉獄さんのことも好きになって頂けて、本当に本当に嬉しいです。最後まで目を通して頂きありがとうございます (2019年5月7日 23時) (レス) id: 49f76c2279 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:捺稀 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年4月19日 21時