【鬼滅の刃】陽光を浴びて泣く君に

第拾壱話「行方」 ページ13

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蝶屋敷でAさんを見かけたことは無かった。

朝起きても何処にもいない。

昼間も

夜も何処にもいない。


任務以外は全くと言っていい程会わなかった。


だから話など出来なかった。




杏寿郎さんから預かった言葉とお館様から預かった羽織を未だに渡せていない。



どうすれば話せるのか考えた。





「善逸は女の子に話しかける時どうしてるんだ？」




鍛錬中に話しかけた。

もはや話す気力も無さそうだけれど、女の子と聞いて目が活性化される。



「何 女の子!?禰豆子ちゃん以外の!?」



聞く相手を失敗した。



「伊之助...」



「ウオオオオオオ!!!」



全力で前を走っている。


聞ける相手が居ない。




ため息を吐いて鍛錬に集中した。






蝶屋敷に帰ってきたのは昼過ぎ。


また休む間もなく鴉からの指令が来た。

指令があったのは善逸と伊之助。


俺はお留守番だった。


飯をいっぱい食べて一人で打ち込みの練習をした。




「禰豆子 どうすれば良いんだろうな」



背中の禰豆子に話しかける。

もちろん返事など帰ってこない。


悩んだ挙句、指令が来るのを待った。



けれどその日、俺に指令は来ることなく終わった。




次の日来た指令は







俺一人での任務だった。

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