【死柄木弔】俺の家族 (ページ40)

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◆ 死柄木side ページ40

Aが家を出た後、
俺も黒霧のゲートでアジトに帰った。

Aが居ない家に居ても何の得もないし、
今日の体育祭が終われば、必ずアジトに帰ってくる。

今日はいつもより甘やかすか。

黒霧｢おかえりなさい、死柄木弔。
丁度、“ あのお方 ” から呼び出しの連絡が入りました。

直ぐにそちらに向かって下さい。｣

アジトに着いたかと思えば先生からの呼び出し。

何なんだ、アイツがテレビに映るかもしれないってのに…。

死柄木｢……分かった、直ぐに飛ばせ。｣

黒霧｢はい。｣

黒霧にゲートを出させ、先生の所に行った。

相変わらず暗くて、機械や管が沢山ある場所だ。

管を踏まないように歩くと、
無数の点滴を打ちながら座る先生が居た。

ｵｰﾙﾌｫｰﾜﾝ｢…やぁ弔、元気にしてたかい？｣

死柄木｢……別に、普通だよ…。

…強いて言えば、
襲撃の時に食らった傷口がまだ少し痛むぐらいだ…。｣

ｵｰﾙﾌｫｰﾜﾝ｢…あぁ、そう言えばAの個性を使ったんだったね。
知っての通り、あの子の個性はまだ未完成だ。
傷口は塞げても、痛みまではまだ治らないからね。
大目に見てあげてくれ。｣

死柄木｢言われなくてもそうするつもりだし、
今までだってそうしてきたよ先生。
…それで、俺をここに呼んだ要件を早く言ってくんないかなぁ？｣

抑えていたイライラが少し強まり、
つい首をガリガリと掻き毟る。

ｵｰﾙﾌｫｰﾜﾝ｢あぁ、そうだったね。じゃあ本題に入ろうか。
……弔は、最近のあの子をどう思っているんだい？｣

死柄木｢は？何だよ急に。｣

ｵｰﾙﾌｫｰﾜﾝ｢最近のあの子は雄英に入学し、
今はそこで行われている体育祭に参加中だ。｣

先生は座っている隣のパソコンの画面を体育祭中継にした。

俺はそのパソコンの前に腰掛け、
画面を見ながら先生の話を聞く事にした。

ｵｰﾙﾌｫｰﾜﾝ｢Aが体育祭に参加しているのは、
Aが初めて僕達にお願いをしてくれたから
学校に通わせ、その行事に参加している。
それは理解していると思う。

僕が言っているのは、
『Aが学校に通い始め、
弔の中で何か変わった事は無いか？』という事だ。｣

『何も無い。』とは、言えなかった。

別に、Aを信用していない訳じゃない。
恋愛感情が芽生えたとか、そんな事でもない。

ただ…、

Aが、 “ 怖い ” だけだ。

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