チャラ男くん。 (ページ1)

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『おっそ〜…』

さっきからずっとスマホと睨めっこをしている気がする

あと何分ぐらいで着く？と5分前に送ったメッセージは一向に既読がつかないまま

今日は友達の奈菜と映画を見にいく約束をしていたのに

行きたいと提案した当の本人はまさかの寝坊で。

いや、いつものことなんだけどね

特にやることもないので、ぼーっと突っ立っていると

ふと向こうから歩いてくる若い男女の姿が目に入った

真ん中に金髪の男一人、周りにはキャピキャピとした女の子達の姿

…あまりにも異様な光景

あれが世にいうチャラ男ってやつか

無駄に顔が良いのもチャラ男の特徴って感じ、？

そんなこんなでじーっと観察していると、金髪の男と目が合ってしまった。しかもガッツリと

慌てて目を逸らすも相手は気づいていたようで、なんと私の方に向かってくる

やばいやばいやばいお前何俺のこと見てるんだよって睨まれる感じ？

うわ絶対そうだ、

「ねー、おねーさん一人？」

『ひっ、いやえっと…』

近くで見るともっとチャラい、怖い

「暇ならさ、俺と一緒に遊ぼうや」

『…………は、？』

ナンパだ、お手本のようなナンパだ

いっぱい女の子引き連れてるくせに、何ナンパしてんねん

『私そういうの興味ないんで、ごめんなさい、！』

「えーじゃあ、連絡先だけでも………」

『無理です！！』

「あっ、ちょ！」

あまりにも怖くて、その場から猛ダッシュで逃げ出した