美 彩 恋 愛

#23 ページ23

『２人とも
もっとリラックスして!!』





なぜか登坂さんの隣に立つと

顔が上手く作れない。

おかしい。



なんで今日に限って。







『登坂くん良いよ!!もっと!!OK!!』




そんな私と比べて

ビシッと決めている彼。




……………悔しい……←









今はポスター撮影だから
２人並んでごく普通のカップルのような
雰囲気で撮影するって言われたものの
さっきから
不調の私。






さっき負けません宣言みたいなのしたばっかなのに。







『はーいOKです!!セットチェンジ入りまーす!!』









でも、ここからが本番。









S「Aちゃ〜ん！髪直すわね！」






括られていた私の髪を解き、

巻いていくSyuさん。




この人は本当に仕事が早い。






S「さっきまでの撮影とは正反対のギャップを
作りたいと思ってるの。」




「ギャップ？」



S「そう！さっきは清楚な雰囲気だったじゃない？
今からがAちゃんの見せ場よ。
大人なセクシーさを強調していくわ。」






私の顔を触れるSyuさん。


ここからが、見せ場。









『『わぁー♡』』







女の子のスタッフさんから
おじさんのスタッフさんまで

皆が私を見て驚いている。

イイ意味でね。





『Aさん綺麗……』

『凄すぎる……』








セットに目をやると



暗い部屋の中で

壁には大量の花が。




そんな部屋に囲まれた

ベッドはアンティークで。





大人っぽくて、ダークなメルヘンを演出している。








『登坂さんかっこいい……♡』

『やばいよね…♡』







女の子のスタッフさんたちの会話が聞こえる方へ
振り向けば








下ろしていた前髪が上がっていて

さっきの白シャツにダメージデニムという

カジュアルな組み合わせに。








ムカつくけどかっこいいのも事実。









『撮影再開しまーす!!』







その合図とともに


ベッドに座り込む私。






そして



ベッドの軋む音と同時に

私の横に腰掛ける登坂さん。







『２人とも向き合って見つめあってくださーい!!』







監督さんの声に従えば







いよいよ始まる、






本当の撮影____

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