渡辺くんは彼女の声が聞きたい。〈青〉

▽08.初対面 ページ8

▽



渡辺くんの楽屋付近をうろうろしてたら、渡辺くんと、もう1人立ってた。


『渡辺くん、ごめんね。ちょっと迷っちゃった。··· 初めまして。』

渡「迎えに行けなくてごめんね。こいつ、俺の幼馴染。今日も一緒に舞台出てた」

宮「宮舘涼太です。最近、翔太と連絡取ってる子だよね？」

『はい、そうですけど···』

渡「とりあえず楽屋入って。」

『あ、お邪魔します』



楽屋というものに初めてお邪魔させてもらった。



『あ、これ、良かったらみんなで食べて？無難にクッキーとかチョコレートしか持って来れなかったけど···』

渡「あ、マジ？さんきゅ。」




渡辺くんはさ、私とこうして会話するのがもし、今日が最後って言ったらどうする？



··· まぁ、どうもしないだろうけど。



私が差し入れに持ってきたのを開けて宮舘くんと一緒に覗いてる渡辺くん。



渡「あ、これ照好きなやつじゃね」

宮「これ、みんなにも渡しに行こう」

渡「ふっかに全部食われるからあいつ1個な」

宮「こんな沢山あるから意地はらないの」



『ふふ、(笑)』



こうして、誰かの話を聞くだけで笑えることもなくなるし、



渡「Aちゃんも食べるー？」

『いや、私はいいよ、！皆さんにって持ってきたんだから』




こうして、普通に話すことも無くなるんだ。



これからは、また物や手を通してじゃなきゃ話せなくなるんだ。




渡「··· Aちゃん、どうした？」

『え、』

渡「ずっと考え込んでるみたいだから」

『···· 渡辺くんはさ、』




- 私が、もう耳聞こえなくなるって言ったらどうする？

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