渡辺くんは彼女の声が聞きたい。〈青〉

□37.手術後 ページ37

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思ったよりも撮影が押して、急いでタクシー拾って病院まで急ぐ。




着いた頃には、23時を過ぎていて、もう入れないかと思ったら看護師さんが俺の事を分かってくれたのか特別に、って入れてくれた。




Aの病室に行くと、耳には包帯してあるけど、寝息を立てて寝ているA。




渡「遅くなってごめんな、お疲れ様」



長く伸びた髪を指で掬う。


さらさらで、綺麗な茶色。





俺もまた、Aの綺麗な柔らかい声が聞けるんだと思うと嬉しくなった。




Aは、耳が聞こえないから、俺に迷惑かけていると思ってる。


けどね、




俺はAと出会ってから、付き合ってから


表情見ればどんな気持ちなのかとか、嘘ついてるのかとかすぐ分かるようになったんだよ？


これも、全部ぜんぶAのおかげだよ。




渡「ありがとね。」



ふわふわと頭を撫でて、病室を後にした。

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