伝 え た い 。 【鬼滅の刃】

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家具屋の前に、百貨店にやって来ました。
私が行きたいと駄々を捏(こ)ねたからです。


だって！！せっかくの無一郎くんとのデートが
家具屋だけなんて悲しいじゃん！？




『わ〜！百貨店なんて初めて来たよ！！』


「僕も…」




百貨店は先ほどの定食屋とは比べ物にならないくらい
たくさんの人がいて、気をつけなければ直(す)ぐに
迷子になりそうだ。




『あ！この反物(たんもの) 綺麗だなぁ…』

※反物… 着物に仕立てられる前の布




色とりどりの反物に目を奪われていると、
店員さんが近付いてきた。




「あらお客様！お目が高い！！こちらの反物は
先日入荷されたばかりですのよ」


『へ〜……。無一郎くん、薄紅色と菖蒲(あやめ)色
どっちがいいかなー？…って、いないし！！！』




後ろにいたはずの無一郎くんが忽然(こつぜん)と姿を消した。
……全く！！少し目を離すとこれなんだから。


私は反物屋を出て、付近を歩き回った。
どこ行ったんだよもう！！



ようやく、反物屋から少し離れたところに無一郎くんの
後ろ姿を発見した。




『無一郎くん、どこ行ってたの？』


「こっちの台詞(せりふ)なんだけど。君が突然
いなくなったんだよ」




無一郎くんは少しムスッとした表情を浮かべた。




『ごめんごめん。この人混みじゃ、はぐれちゃうのも
無理ないよね』


「もう僕から離れちゃダメだよ」


『えっ？』




無一郎くんは、私の手を掴んで歩き出した。



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