伝 え た い 。 【鬼滅の刃】

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お三津さんより「台所接近禁止令」が出され、
私は再び部屋の掃除を任された。




『えーっと、この角を曲がって右…だっけ』




曲がり角に差し掛かった時、

「ごめんなさいごめんなさい！許してください！！
すぐにやりますからぁ！！！」

「ビービービービーとうるさいんだよ！！！」

という泣き声と怒鳴り声が聞こえて私は壁に背中を
ピタッと合わせた。


…様子を窺(うかが)う為に、恐る恐る顔を出すと
そこには" 蕨姫花魁(わらびひめおいらん) "と涙で
顔面がぐしゃぐしゃの女の子がいた。



" 京極屋 "には、とある大きな問題があった。
それがこの" 蕨姫花魁 "だ。


蕨姫花魁は、見た目こそ息を呑(の)むほど美しいが
性格がとんでもなくキツく、気に食わないことが
あれば暴言や暴力を振るうことなんかは日常茶飯事。



私が旦那さんと出会った時に「人手が少ない」と
言っていた原因のほとんどが蕨姫花魁で、
京極屋では怪我人、耐え切れずに逃げ出す者、
さらには自ら命を絶ってしまう者が後を絶えないそうだ。


しかし、蕨姫花魁のおかげで京極屋は大きくなったため
旦那さんも女将さんも蕨姫花魁の暴挙には
目を瞑(つむ)らざるを得(え)ないそう。



…この事実を知ったのは私が雇われてから
数日経った後だった。




「雑用係が私に口答えするんじゃないよ！！」


『あ、危な…ｯ！！！』




蕨姫花魁が女の子に手を振りかざした時、
とっさに体が動いた。


ﾊﾞﾁｨｨｨﾝ!!と大きな音が、廊下に響いた。



思いっきり頬を叩かれて、私はその場に崩れ落ちた。



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蕨姫花魁はみなさんご存知の通り、正体は「堕姫」です。

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