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甘「…て!…きて!A!起きてー!」

『…むぅ、どうしたんですかこんな明け方に、』

枕元の時計を確認すると寅の刻。

甘「司令よ!今すぐ!鬼!」

『____行かなくちゃ』




山に着くと既に隊員が倒れていた。

ざっと10人くらいだろうか。

『____随分とお元気な鬼ですね』

甘「全く___キュンキュンしないわ」




息がありそうな者はもう居ない。

力のある鬼か、それとも隊員が弱かったのか___

甘「行くわよ、」

____師範、怒ってる

甘「私は右に行くわ。Aは左任せたわよ。___まだ鬼の強さがわからない。下手したら…十二鬼月かも知れないから本当に気を付けてね」

『蜜璃こそ気を付けてください、』




師範と別れてから数十分が経つ。

1匹くらい鬼と出会っても良いはずなのに、まだ誰にも会わない。

____師範の方だったか、

来た道を引き返そうとした時、妙な気配を感じた。

そして____あの時の匂いも。

振り返ると1匹の鬼が後ろ向きで立っていた。

その後ろ姿には覚えがある。

『____ッ』

鬼はゆっくりと振り返り、私に手を振って口を開きました。

「お嬢ちゃん久しぶり、元気にしてた?」

『_____お前』

「待ってよ、今日は誰も食ってないさ…口元に血がついていないだろう?」

そう言ってヘラヘラと笑った。



『___夢の呼吸 弐ノ型 夢死』



「相変わらずお嬢ちゃんの血の気っぷりには敵わないなぁ」

___避けられた

「それにしても鬼殺隊に入ったんだねぇ。物怖じしないお嬢ちゃんだから、今後入るかなぁって思ったけど…まさか本当に入るとは」

『___お前を殺す為に入った』

「お嬢ちゃんに俺は殺せないよ」

____殺せない?


「だって俺、十二鬼月上弦の弐・童磨だもん」


童磨はヘラっと笑って目を一周回した。

『お前が___十二鬼月___上弦』

確かに目の玉に"弐"と記されている。

『童磨…』

私の両親を殺した鬼。

鬼舞辻無惨によって選ばれた最精鋭の十二鬼月、しかも上弦の弐。

童「あはは、びっくりしちゃった?」


『____お前を生かして__おけない』




『夢の呼吸 伍ノ型 夢魔』



ザンっと音がし、童磨の肩部分の羽織が裂かれた。

童「___お嬢ちゃん、柱?」

『…違う』

童「そっか、じゃあまだだね」


強い衝撃を感じ、私は倒れた。


童「お嬢ちゃんの成長は見てて楽しい。俺はまだお嬢ちゃんを殺さないよ、柱になるまで」

『ッ___待て!まだ終わってない』

童磨はヘラっと笑って消えた。

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作者名:まろ | 作成日時:2020年7月7日 19時

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