かくれんぼ ページ32
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るんるんで仕事も終わらせて
家に帰った。
．
二宮さんからは
連絡は返ってきてなかった。
けど、二宮さんは
ベランダに出て煙草を吸っていた。
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和也 「 おかえり。」
「 ただいま … 」
和也 「 おめでとう。」
「 あ、ありがとうございます。」
見てくれたんだ。
返事くれなかったけど。
．
和也 「 そして、ありがとうね。」
「 いえ。全然です。」
.
二宮さんは無言で
私の手のひらに何かを置いた。
．
「 私の家の鍵 … 」
和也 「 そう、もうA帰っていいよ。」
．
なにそれ。
なにそれなにそれ。
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「 散々… 」
言い返す気にもならなかった。
自分の口を噛み締めた。
帰りたいと思っていた気持ちと
帰りたくない
ここに居たい。
二宮さんと居たい。
そう思ってしまった瞬間。
．
何かが聞こえた気がした。
.
けれど
聞こえなくなった。
．
和也 「 俺たち、付き合ってるわけじゃないしただの他人。今までありがとう。」
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とだけ、最後に残して
彼は出て行った。
．
朝になっても帰ってこない。
.
もう
終わりなんだと
もう、さよなら
なんだと
本気で思った。
．
少ししかなかった荷物を
まとめ
二宮さんの家を出た。
.
二宮さんの家の鍵を
ポストに入れようとして
コートのポケットに
そっとしまった。
気持ちと一緒に。
．
「 今まで、ありがとうございました。」
.
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作者名：Sakura . | 作成日時：2016年9月1日 13時
