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ここじゃアレだから、と連れて来られたのは休憩スペースのような場所。
先程までジョンハン先輩の周りにいた女の人達からの視線が痛かったが、わたしは黙ってジョンハン先輩の後ろをついてきた。
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ジョンハン先輩とは高校の頃に知り合った。
いつもわたしの幼馴染の隣にいて(というよりも、彼がジョンハン先輩の隣にいた)、気づけば会えば挨拶をしては、たまに談笑する仲になっていた。
いつも女の子が寄ってくるくせに、誰一人に見向きもせず男友達と楽しそうに笑っている姿。
それが、わたしの中でのジョンハン先輩についての記憶だった。
・
「はい、どーぞ。 これ飲める?」
『あ、ありがとうございます…すみません、気使わせちゃって』
今更でしょ、なんて笑う彼の髪色は高校時代より少しだけ茶色くなっていた。
『髪、染めたんですね。』
「ん?ああ、俺ら卒業してから会ってないもんね。」
どう?と聞く彼に 似合ってます と言うと、満足そうにありがとう微笑んだ。
「まさかAちゃんの進学先がここだったなんて」
『いや、ジョンハン先輩がいたこともびっくりです』
「え、知らなかったの?」
『はい、知りませんでした。』
そっかと呟くジョンハン先輩。
わたしがあの人を避け始め、自然とジョンハン先輩とも疎遠になってしまっていたから。
「じゃあ、アイツの進学先も知らない?」
その瞬間、少しだけ空気が変わった気がした。
先輩が言う“アイツ”なんて一人しかいない。
『…はい、知りません。
もう連絡もとってないので。』
その言葉に、先輩はため息をつく。
「知りたいと思わないの?」
『思いません。知ったところで、何にもなりませんし。』
先輩はきっとわたしの気持ちをあの頃から知っていた。わたしが分かりやすかったのか、先輩の勘が鋭いだけなのか。
真っ直ぐわたしを見つめる先輩の視線がやけに居心地が悪くて、両手で握っているジュース缶に視線を落とす。
突然訪れた沈黙にどうしていいか分からず、わたしは一口ジュースを飲んだ。
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ヨカ(プロフ) - naginaoさん» ありがとうございます!!わたし自身こういうスニョンくんが好きで早く付き合いたいな(早く付き合いたいな)と思いながら書いております…これからも楽しんでいただけるよう、頑張っていきます! (2020年11月6日 21時) (レス) id: 98bae9aaa0 (このIDを非表示/違反報告)
naginao(プロフ) - スニョンくんがどタイプすぎて凄くきゅんきゅんします。更新、作者様のペースで頑張ってください!応援してます! (2020年11月6日 19時) (レス) id: 75fb9f73cf (このIDを非表示/違反報告)
ヨカ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます…!今後もかっこよくて少し不慣れなスニョンくんをお届けできたらなと思っておりますので、何卒よろしくお願いします(*´`) (2020年11月3日 11時) (レス) id: 98bae9aaa0 (このIDを非表示/違反報告)
あの(プロフ) - すにょんくんがかっこよくてすんごいときめいてます、、、更新ありがとうございます! (2020年11月3日 8時) (レス) id: b801a6e004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨカ | 作成日時:2020年10月27日 21時