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「…え?」
『もしよかったら、一緒にプレゼント買いに行こうかなって思ったんだけど…どう?』
わたしの問いかけに、なかなか返ってこない返事。
よく考えれば、付き合ってるわけでもない異性と出かけることに抵抗がある人だっている。いくらプレゼント選びとはいえ、さすがにデリカシーの無い提案だったかもしれない。
『ごめんスニョンくん、嫌なら断ってくれてもいいんだよ。』
「いやっ、そうじゃなくて…むしろ、いいの?」
電話の向こう側で恐る恐る言葉を発するスニョンくん。
『うん、もちろん』
「ありがとう、マジで助かる……!」
A様〜、なんておどけたスニョンくんに、何言ってんのって笑い返した。
『いつにしよっか?』
「んー、なるべく授業が少ない日がいい」
『待って、スケジュール見てみる……あ、直近だと15日なら午前で講義終わるよ。
この日、取ってる講義は別だけどスニョンくんも午前で終わるよね?』
「え、15日?今月の?」
『ん?うん』
わたしが提案した日付をぶつぶつと呟くスニョンくん。もしかして、なにか都合が合わないのだろうか。
『もし都合あわないなら他の日にする?』
「いや、合う。全然合う。てかこの日がいい。」
『あ、そう?じゃあ決まりね〜』
放課後とはいえど、友達と出かけるのなんていつぶりだろう。高校の友達と遊んだ日以来な気がする。
『友達と出かけるの久しぶりだから楽しみだなあ、いっそ気合い入れておしゃれでもしよっかな』
うきうきした気持ちを抑えきれず、あれやこれやと一人で盛り上がる。
電話越しの彼は、どんだけ楽しみなんだよってケラケラ笑っていた。
『スニョンくんは楽しみじゃないの?』
「………楽しみだよ。めちゃくちゃ」
優しい声だった。耳元で直に届く彼の優しく少し掠れた声が、わたしの胸をトクンと鳴らした。
「おしゃれしてきてくれるんでしょ?」
『へ…?あ、うん。』
「ふふ、すっげー楽しみ。」
耳元で聞く彼の声は、こんなにも柔らかく真っ直ぐなものだったのか。
それじゃあまた学校で、そう言って切られた通話の終了画面をぼうっと見つめる。
おかしいな、今年の梅雨はこんなにも暑いのか。
熱くなった顔を、片手で軽く仰いだ。
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ヨカ(プロフ) - naginaoさん» ありがとうございます!!わたし自身こういうスニョンくんが好きで早く付き合いたいな(早く付き合いたいな)と思いながら書いております…これからも楽しんでいただけるよう、頑張っていきます! (2020年11月6日 21時) (レス) id: 98bae9aaa0 (このIDを非表示/違反報告)
naginao(プロフ) - スニョンくんがどタイプすぎて凄くきゅんきゅんします。更新、作者様のペースで頑張ってください!応援してます! (2020年11月6日 19時) (レス) id: 75fb9f73cf (このIDを非表示/違反報告)
ヨカ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます…!今後もかっこよくて少し不慣れなスニョンくんをお届けできたらなと思っておりますので、何卒よろしくお願いします(*´`) (2020年11月3日 11時) (レス) id: 98bae9aaa0 (このIDを非表示/違反報告)
あの(プロフ) - すにょんくんがかっこよくてすんごいときめいてます、、、更新ありがとうございます! (2020年11月3日 8時) (レス) id: b801a6e004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨカ | 作成日時:2020年10月27日 21時