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大学生活とは想像以上に忙しいもので、気づけばカレンダーは6月、梅雨を迎えようとしていた。
休日、机の上に開きっぱなしの課題はまだ真っ白な状態に近い。
頬杖をついたまま、もう片方の手でペンを適当に回しながら、自室の窓から灰色の重たそうな空を眺めていた。
ふと、ベッドの上に放り投げてあるスマホの着信音が鳴る。滅多になることのない着信音に思わず驚き、回していたペンがカタンと音を立てて机の上に転がった。
『…え、』
手に取ったディスプレイには、"クォンスニョン"の名前が表示されていた。
スニョンくんとはあれからというものの、講義が被る度に隣の席に座っていたし 定期的にお昼も共にしていた。
というか、正直お昼は基本スニョンくんといた。……あと、たまにジュンくんとウォヌくん。
けれど、こうして電話がかかってくることは初めてで。間違い電話かな、とも思ったが、なかなか鳴り止まない着信音にそうではないと確信した。
『……もしもし?』
「あ、もしもし、Aちゃん」
緊張気味のまま電話に出る。耳元で聞く彼の声は、機械音と混ざり少しだけ掠れている。
『どうしたの?珍しいね、電話なんて』
「あー、いや…聞きたいこと?というか、うーん…相談事があって」
なぜか歯切れの悪いスニョンくんに疑問を抱く。
「今どきの女子って、何プレゼントしたら喜んでくれるか分かんなくてさ」
『えっ、スニョンくん彼女いたの?』
彼の言葉に、思わず思ったことが口に出てしまう。しかし、わたしの言葉にスニョンくんは慌てたように違う違うと弁解した。
「そ、そうじゃなくて…!親戚だよ、もうすぐ誕生日だから何か買ってやろーかなって…!ほら、もう俺大学生だし、それくらいしてやりたいと…」
ああ、なるほど。確かにそれだと、男の子だけじゃなかなか苦な部分があるな。
「こういうこと、Aちゃんしか頼れる人いなくて」
『んー、力になってあげたいんだけど、一言でプレゼントって言ってもいろいろ有るし、相手の好みの問題もあるし…』
「そうだよなあ…」
せっかく頼ってくれたスニョンくんに、ちょっと申し訳ない気持ちになる。どうにかして力になってあげたいなあ、と考えるわたしの頭に、一つの案が浮かんだ。
『あ、もしよかったら一緒にプレゼント選び手伝わせて?』
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ヨカ(プロフ) - naginaoさん» ありがとうございます!!わたし自身こういうスニョンくんが好きで早く付き合いたいな(早く付き合いたいな)と思いながら書いております…これからも楽しんでいただけるよう、頑張っていきます! (2020年11月6日 21時) (レス) id: 98bae9aaa0 (このIDを非表示/違反報告)
naginao(プロフ) - スニョンくんがどタイプすぎて凄くきゅんきゅんします。更新、作者様のペースで頑張ってください!応援してます! (2020年11月6日 19時) (レス) id: 75fb9f73cf (このIDを非表示/違反報告)
ヨカ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます…!今後もかっこよくて少し不慣れなスニョンくんをお届けできたらなと思っておりますので、何卒よろしくお願いします(*´`) (2020年11月3日 11時) (レス) id: 98bae9aaa0 (このIDを非表示/違反報告)
あの(プロフ) - すにょんくんがかっこよくてすんごいときめいてます、、、更新ありがとうございます! (2020年11月3日 8時) (レス) id: b801a6e004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨカ | 作成日時:2020年10月27日 21時