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気づけば梅雨の時期はとっくに過ぎて、
今はもう8月の後半。
三年生は本格的に進路を考えなければいけない時期。
邪魔をしないよう、わたしはなるべくオッパ達に気を使っていた。
だから、会えるのは朝一緒に登校する時だけ。
少し寂しいけど、オッパの進路が決まるまでの我慢だからいいの。
全く会えないわけじゃないし、オッパのお母さんの料理をおすそ分けしに家に来てくれる時もあるから。
一緒にいれる時間は少なくなったけど、それでも一日一回オッパの顔を見れればそれでよかった。
・
『……あれ、無い』
放課後、下駄箱で靴を履き替える前にスマホが無いことに気がつく。
そういえば机の中に置いたままだった気がする。
『はあ……取りに行かなきゃ』
上靴を履き直し、つま先をとんとんと打つ。
階段を上がり、三年生の教室の前に差しかかった。
この時このルートで戻らなきゃよかった。
そんなことに、わたしは気づくわけもなく。
オッパのクラスの前を通りかかった時、しんと静まり返ってるはずの教室から聞こえてきた声。
「好き、なの。付き合ってほしい」
「俺でよければ…こちらこそ、よろしく」
思わず、足を止めた。
聞き覚えのある声と、世界で一番愛おしい声。
恐る恐る、声の聞こえた教室の中に視線を向けた。
ひゅっと、息が詰まる。
西日が差し込む教室、隅で頬を赤くして笑い合う
オッパと、ユジン先輩がいた。
・
『はあ…っ、はあ、』
勢いよくその場から走り出した。
頭が真っ白になり、痛む心臓なんてお構い無しに下駄箱まで走った。
角を曲がったその時、どんっと人にぶつかる。
「痛っ……あれ、Aちゃん？
…え、なんで泣いてんの」
わたしの様子を不思議そうに伺う、ジョンハン先輩。
『あ…せん、ぱい……ごめんなさい』
先輩に言われ、初めて気づいた。
わたし、泣いてるんだ。
「ちょ、何かあったの」
『何でもないです…っ、失礼します』
目も合わせず、わたしは外へ駆け出した。
わたしの腕を掴もうとする先輩の手は空を切る。
忘れたスマホの存在なんて、とっくにどこかへ消えていたし、
どうやって家に着いたのかも、よく覚えていなかった。
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ヨカ(プロフ) - naginaoさん» ありがとうございます！！わたし自身こういうスニョンくんが好きで早く付き合いたいな(早く付き合いたいな)と思いながら書いております…これからも楽しんでいただけるよう、頑張っていきます！ (2020年11月6日 21時) (
レス) id: 98bae9aaa0 (このIDを非表示/違反報告)
naginao(プロフ) - スニョンくんがどタイプすぎて凄くきゅんきゅんします。更新、作者様のペースで頑張ってください!応援してます! (2020年11月6日 19時) (レス) id: 75fb9f73cf (このIDを非表示/違反報告)
ヨカ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます…！今後もかっこよくて少し不慣れなスニョンくんをお届けできたらなと思っておりますので、何卒よろしくお願いします(*´`) (2020年11月3日 11時) (レス) id: 98bae9aaa0 (このIDを非表示/違反報告)
あの(プロフ) - すにょんくんがかっこよくてすんごいときめいてます、、、更新ありがとうございます！ (2020年11月3日 8時) (レス) id: b801a6e004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨカ | 作成日時：2020年10月27日 21時
