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『はあ、体育やりたくない…』


「そんなこと言わなーい!ほらA!行くよ!」




友達に嫌々引っ張られ廊下に出る。





今日は長距離走のタイム測定。

運動は苦手ではないけど、持久力はない。




だから、春とはいえ お日様の下での長距離走だけはどうも苦手なのだ。


肌が日に焼けるし、身体は疲れるし。いいことなんてない。やる意味がわからない。









「前の体育、三年生だったんじゃないの?

ほら、大好きな"スンチョルオッパ"とすれ違えるかもよ〜」




『………一緒に探して』


「ハイハイ」






わたしの扱いに慣れている友達は、ここぞとばかりにオッパの名前を強調して言う。





ちょうど三年生が教室に戻るタイミングと合えば、廊下ですれ違うことができる。









今日も、会えますように。









『あ、いた!』




「え、もう?……ホントだ、あんたのオッパセンサー本当にこわい」


『んへへ、ありがとう』



「褒めてないけど?」









遠くからこちらへ向かってくるオッパと、ジョンハン先輩。









いつも通りの光景、






『………あれ?』





では、なかった。









「ん?……あ。あれって例の先輩じゃない?この間転校してきた…」


『転校してきた?……ああ、あの人が…』









わたしの視線の先には、オッパとジョンハン先輩の間を一歩ほど後から歩く、


それはもう、すれ違う人みんなが振り返るほどの美人な女の人がいた。









ぎゅうっ








胸が、今まで感じたことがないほど締め付けられる。





思わず、視線を逸らした。




見たく、なかった。









……どうして、その先輩の笑顔に 頬を赤くしたの?




ほかの女の子に、そんな表情しないでよ。









自分でも嫌になるくらい、黒い感情が渦巻く。









再び視線をオッパの方に向けると、すれ違うまであと数秒の距離。









その瞬間、オッパとの視線が交わる。


ふにゃっとした、いつもの優しい笑顔をみせたオッパ。









「お、A。今から体育か?

頑張れよ!」









結んでいる髪の毛が崩れないよう、オッパはわたしの頭にぽんっと優しく手を置く。









『……うん。』








わたしは生まれて初めて、オッパの優しさに曇った返事をした。

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ヨカ(プロフ) - naginaoさん» ありがとうございます!!わたし自身こういうスニョンくんが好きで早く付き合いたいな(早く付き合いたいな)と思いながら書いております…これからも楽しんでいただけるよう、頑張っていきます! (2020年11月6日 21時) (レス) id: 98bae9aaa0 (このIDを非表示/違反報告)
naginao(プロフ) - スニョンくんがどタイプすぎて凄くきゅんきゅんします。更新、作者様のペースで頑張ってください!応援してます! (2020年11月6日 19時) (レス) id: 75fb9f73cf (このIDを非表示/違反報告)
ヨカ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます…!今後もかっこよくて少し不慣れなスニョンくんをお届けできたらなと思っておりますので、何卒よろしくお願いします(*´`) (2020年11月3日 11時) (レス) id: 98bae9aaa0 (このIDを非表示/違反報告)
あの(プロフ) - すにょんくんがかっこよくてすんごいときめいてます、、、更新ありがとうございます! (2020年11月3日 8時) (レス) id: b801a6e004 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨカ | 作成日時:2020年10月27日 21時

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