008. お兄ちゃんのばか - 2 ページ8
.
.
翌日、お兄ちゃんは朝からるんるんで
家を飛び出し、今は午前11時。
…きっと、もうそろそろ到着する頃だろう。
「 A〜！連れてきたよ！ただいま〜！ 」
そんな声が玄関のほうから聞こえ、
私は思い足を引きずり、お兄ちゃんを
迎えに行く。
「 おかえりなさーい！ 」
案の定、お兄ちゃんの隣には…
「 …お兄ちゃんの、彼女さん？ 」
お兄ちゃんは笑顔で首を縦に振り、
彼女さんは照れくさそうにうつむく。
想像はしていたけれど、やっぱりリアルに
見ると心にぐさっと刺さる。
でもでも、お兄ちゃんの大切な彼女さん
だもん！あくまでも笑顔で…笑顔で…
「 わー、いい人ってほんとだね！
妹のAです、宜しくお願いします 」
「 妹さん可愛い〜！私は優太くんの
彼女のレイナです 」
.
―――― その後、お家デートと称して
初々しくいちゃついてみたり、惚気話を
聞かされたりと散々な思いをした私は、
彼女さんが帰ったあと、リビングのソファーに
突っ伏した。
「 どうしたA、元気ないじゃん 」
相変わらず能天気なお兄ちゃんは、
当然のことながら、私の気持ちなんて
一切気づいていないみたいだった。
.
.
009. お兄ちゃんのばか - 3→←007. お兄ちゃんのばか - 1
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももち | 作成日時：2015年8月29日 18時
