しがない葬儀屋ですが【伏黒恵】

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「………あのなぁ……」



とうとうわからなくなってきた俺に、少し苛立ったように真希さんが声をかけてきた



「聞けばいいだろ本人に」



出来たら苦労しないんだけどな



「あいつ、何かあるように見せて実は何もないとか全然あるから」



……よく知らないのでなんとも言えないが



まぁ、そうだな、嗅ぎ回るのもなんだし



「ありがとうございます、とりあえず行ってみます」



「おーよ、せいぜい頑張れ」



「Aは手強いぞー」



もやもやが消えないまま教室を出た



…別に石蒜先輩単体に拘る理由もないんだけどな…



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恵が去った後の教室内



「………いいのか？棘」



「………」



黙り込む棘



きっとパンダからの言及に心当たりがあるからなのだろう



「まあそう気にすんなよ、セキも言ってただろ、
棘のせいじゃねぇって」



「…しゃけ」



真希からのフォローに返事をするも、どこか遠い目をしていてどこか心ここに在らずといった感じだ



「…む、無理もないよ、自分を責めちゃうのは…



でも多分セキさんも恨んでなんかないと思うし……」



___一同、Aの話題はあまり出したくないらしい



「あー腹減った、なんか食いに行かね？」



「お土産よろしく」



話題転換され、以降考えないようにした



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