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Everlasting victory . TH ページ6





「ッ、ざけんじゃねえ!!」

「まずい、ナックルサーブだ」
「吉良先輩、やばくね?」
「どうなんだよこの試合……」

周りの人は皆、2人を心配した。
 怒りに狂い、悪魔化した 切原 と
それを更に挑発し、絶対の自信を持つ 吉良 。
 しかし、その心配は必要なかった。
 吉良は、確実に、切原の凶暴なサーブを綺麗に返したのである。

「……へぇ、それが本気のサーブ?」
「……ッチ!!!!」

ああ、なんだコイツは。
どんどん挑発してきやがって。
なんだ、俺が弱いとでも言いたいのか。
笑わせんな、俺が弱いわけ……

「ねえっ!!!」

それでも、そのサーブは綺麗に返される。
3球目、4球目、と続くが、簡単に返せるところに返してくるあたり、舐めている。

ムカつく。

その一言だけだった。先輩なんてどうでもいい。
ただ馬鹿にされているのが悔しくて仕方がない。
 そして、かえってきた球は、上に大きく上がった。

「フッ、終わりだ」

その球に飛びつき、吉良先輩の 左膝 を狙った。

「ヴっ……」
「フン、俺を馬鹿にするからこうなるんだよ
先輩もさ、全然だね。」

これでもう、分かっただろうと。
次からはここを狙われる、と感じただろうと。
 馬鹿にしていたのは、俺の方だった。
 舐めていたのも、俺の方。
俺は、この 吉良A という人物のテニスを、甘く見すぎていたんだ。

「ンフフ、お前さァ……

今なんつったァ?俺を馬鹿にするからこうなる?
全然?

ア゛ァ ? 笑わせんじゃねぇよクソが。
なァにが全然だ。お前の方が全然すぎるだろ。こんなので勝てたと?お前のテニスは、こんなもんなのか。期待して損しちまったぜ。」

低く鋭い声で言われ、また、ただの挑発なのに、怖く感じてしまう。

「……見とけ、俺のテニスを。
心に刻め、目に焼き付けろ、んで……」

__ 俺を2度と下に見んじゃねェ。

その瞬間、俺は全てを支配された。
考えも、行動も、ボールの軌道も、回転も。
あの人の目を見ることしか出来なくなった。
見たくない。怖い。そう分かっているのに、地面がまるでないようにユラユラとして、あの人の目の奥底の、自分が、脳に焼き付く。
 低くて鋭い声が、体をビリビリと震わせる。
俺は、この試合……負ける。棄権する。
勝手に脳がそう指示した。



「……吉良の異名は……

” コート上の支配者 ” じゃ。 そう簡単に赤也が勝てる相手ではない。幸村でさえ、苦戦する相手じゃ
あまり、甘く見ているとあの目に殺される。」



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(プロフ) - 第一部隊さん» その一言が何よりの励みです、ありがとうございます!更新頑張ります!!笑 (2019年5月19日 22時) (レス) id: a218fd298e (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - わぁ!!好き!更新待ってます!!! (2019年5月19日 22時) (レス) id: 8a79432f79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年5月17日 22時

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