memories with U . On ページ2
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Nどこじゃ今
A屋上しかなくね
自分には似合わないが、相手はどことなく黄色or黒 というイメージカラーがあるので、LINEの色は黄色で設定している。
黄色のLINEの画面を閉じ、銀髪の男は少しだけため息をついた。
「チッ、サボればよかったのう」
本来なら今頃は、自分も屋上にいたのであろう。
しかし気が変わったのかなんなのか、なんとなくと言えるのか、、気まぐれ というやつで、授業に出てしまった。
失敗したが。
「暇じゃき」
ポツリ、と零した独り言は目の前の黒い板の前に立つ大人に吸い込まれた。
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「おまん、サボりおって」
「今更すぎねぇ?つぅかなんで授業出たの?珍しい」
「気まぐれじゃ。最悪だったわ」
「へぇ聞きたい」
「珍しいのう、教えてやる
まずおまんにLINEしたやろ?それがバレてましたと。暇じゃったから暇じゃきって呟いたら当てられた。黒板に書いた答えなんか全問正解だったから先生に舌打ちされた。だから笑ったらまた怒られたぜよ。意味不明じゃ」
「嫌われてんな、何の授業?」
「数学」
「俺あの先生嫌い」
「同感」
健全な中学生らしい会話である。
1つ違うことといえば、黒金のサラサラストレートの男には、耳に金属がジャラジャラとついてることと、立ち入り禁止、と書かれた看板が倒されていることである。
「おまん、立ち入り禁止って読めるんか」
「生憎、漢字は苦手」
「平仮名も入っとる。」
「残念、文字が嫌い。」
「残念じゃの」
「なんだこれ」
俺に寄りかかってくるこの黒金頭の男は、そのままスースーと寝始めた。
「男かこいつ、サラサラじゃのう」
黒と金の髪を触ると、サラサラと間を通り、彼の肩に手が落ちる。もう一度触ろうとする。癖になる髪である。
ハッ、と思う。
「こいつのイメージカラーが 黒と黄色なのは、この髪か……」
どこにいても分かる、黒と金のサラサラストレート。これがイメージカラーの原因である。実に単純。
「におー…」
全く、寝ている時だけは素直なのである。
俺の制服の裾をキュ、と握って、そのまま子供のように寝るのだ。
いつもの目つきの悪い彼とは思えない綺麗な寝顔である。
この光景は、2人が出会った時からずっと続いていて、いつしかこの屋上は 立ち入り禁止 の場所、ではなく、2人の思い出の場所、になっているのも、否定出来ない
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こ(プロフ) - 第一部隊さん» その一言が何よりの励みです、ありがとうございます!更新頑張ります!!笑 (2019年5月19日 22時) (レス) id: a218fd298e (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - わぁ!!好き!更新待ってます!!! (2019年5月19日 22時) (レス) id: 8a79432f79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こ | 作成日時:2019年5月17日 22時