29 ページ29
.
「A、オレ！「行かないでっ！」
「え？」
「あ、…ごめん」
今にも行かなきゃって言い出しそうでそれが嫌で思わず叫んでしまったら彼はぽかんと口を開けて私を見て、そして笑い出した。
「なになにっ、ははっ！
俺もそのつもりだったんだけど？」
「え…どういうこと？」
「昨日雨で電車止まっちゃったじゃん？だからすげぇ心細い思いさせてるなって思ったの。だから今日の予定は無しにしてきた」
「良樹……」
思わず涙が溢れてきた。
「ちょっとAどした！！
どっか痛い！？」
椅子から立ち上がって傍によって俯く私をしゃがみこんで見上げる。
「ううん…違うの…」
ふるふると首を振る。
「だいじょーぶだから、オレがいるから、な？ほらもー泣くなって」
ぎゅっと優しく抱きしめてくれる。
良樹の香りだ。
わたしの大好きな、
ーーー良樹の香りだ。
「良樹……あのね」
「ん？」
綺麗なアーモンドアイをくりっとさせて
不思議そうに再度私を見上げる。
「……きす、して？」
そしてふっと笑ってから
彼から口付けが贈られる。
胸が裂けるくらい痛んだ。
でもそれだけで勝手に
許された気がした。
隠しとうそうとおもった。
彼を傷付けたくない、
私だけが悪い、彼は何も悪くない。
私が気持ち一つ隠せば
彼も私達もこのままもうすぐ迫る
一年記念日を幸せに過ごせる。
そう思っていたーーーー。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 218人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩織(プロフ) - 小麦さん» 読破有難うございます〜！作品も私の捏造ジェシーさんも褒めて頂き感謝です！とっても活力になりました(つω`*)小麦さんの為にこれからも素敵なジェシーさんを届けれるようにがんばります☆彡 (2017年10月1日 21時) (
レス) id: 8bb8fc8025 (このIDを非表示/違反報告)
小麦(プロフ) - 詩織さん» 読み切りました！！お疲れ様でした！とっても素敵な作品でした！！詩織さんのジェシー本当に好きでした！！！ジェシーさんの幸せになる話や、短編集、待ってます(о´∀`о) (2017年10月1日 8時) (レス) id: 36f6aba9cb (このIDを非表示/違反報告)
詩織(プロフ) - まみcan@間宮らぶさん» コメント有難うございます！ヨダレまで！(*´艸`)笑 嬉しいコメントに更新頑張れそうです！ありがとうございます！！ (2017年9月28日 21時) (レス) id: 8bb8fc8025 (このIDを非表示/違反報告)
詩織(プロフ) - 小麦さん» 村山さんPartも楽しんで頂けてるみたいで嬉しいです！…ちょっと家の村山さんヤンデレっぽいですが、、(-ω-)笑 (2017年9月28日 21時) (レス) id: 8bb8fc8025 (このIDを非表示/違反報告)
まみcan@間宮らぶ(プロフ) - 最高すぎてよだれでそうです.. ！ 更新楽しみにしてます ！ (2017年9月28日 20時) (レス) id: e0a3a8faa0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩織 | 作成日時：2017年9月19日 18時
