観察日記 (ページ10)

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観察＃８．５ページ10

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side : WONWOO

「一回家帰ってからウォヌヒョンの家行きますねー！」
「来なくてもいいよ別に」
「もう〜最後まで冷たい！じゃあまた後で！」
「じゃあねミンギュー！」

Aをバイト先まで届けたあと、家が別方向のミンギュは着替えてくるからと1度家に帰るらしく、自然にソクミナと二人になった。

最初はゲームの話をして盛り上がっていたものの、どんどんソクミナの気分は落ちていって仕舞いには喋ることもしなくなった。……何が原因なのか、すぐに分かるけど。

「そんな落ち込んでんの、どうせAのことでしょ」
「……」
「なに、なんか心配なことでもあった？」
「……ヌナはいっつも僕のために頑張ってるのに、僕は何も出来てないな〜って思って、」

そう言って今にも泣きそうになっているこいつは、本当に心が綺麗で、優しいんだと思う。辛い時期に誰よりもAのことを見てきて支えあってきたソクミナだからこそ思うこともきっと多いんだろう。

だけどソクミナはきっと知らない。Aにどれだけ想われているか、大切にされているか。いつの日か言っていたAの言葉と表情が思い浮かんだ。

…

「ねえウォヌ」
「ん？」
「…わたし、ソクミナが居ないとダメになる」
「……」
「無理ばっかりさせて、こんなヌナでごめんってソクミナに言ったらなんて返ってきた思う？"僕はAヌナが居ないと生きていけないよ"だって。…私の知らないうちにそんなこと言えちゃうくらい大きくなったんだよ」
「……離れていくのが不安なんだろ」

「……笑っちゃうよねほんと(笑)ソクミナだっていつか彼女ができて私なんて邪魔者になるのに、そうなるのが怖いんだよ………」

…

誰よりも苦しんで、誰よりも辛かった二人だから幸せになって欲しい。どれだけ辛くても涙を見せなかったAがあの日、あの時、目の前で初めて泣き崩れた姿を見てからその思いは変わらない。

「………ソクミナの存在がAにとっては一番なんだよ」
「…どういうこと……？」
「Aはお前が居なくなることを恐れてる。…もう何をすべきか分かるでしょ」
「ウォヌヒョン、」

「……Aのそばに居ることなんじゃないの？」

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