可愛い俺の獣人達

20話 ページ21

京治が俺に抱きしめて欲しいと言ってきた。
一瞬驚いたが、俺はすぐ様腰を落とし腕を広げた。
京治は俺の存在確認をするように強く抱きしめてきた。


京治は、誰にでも優しくすると刺されると俺に言った。
だが、俺はそれ程周りには優しくない。
家族と少数の友人しか知らないだろう。


そう言うと京治は笑い、俺を再度抱きしめた。


『なぁ、京治。さっきの返事聞いてもいいか？』

京治「え。今こうしてるんだから言わなくてもわかるよでしょ？」

『ああ、だが京治の口から聞きたい。』

京治「……仕方が無いなぁ。
Aさん。俺を貴方の家族にして下さい。」

『ああ、勿論だ。』


暫く京治と話をした。
俺の家族になる条件とか。
その他諸々。
話をしていると、柊が部屋に入ってきた。


柊「おや？どうやら終わったようですね。」

京治「はい。柊さんの言ってた通りでした。」

柊「ふふっ、そうでしょ？A様はそういう人ですので。」


俺は話についていけなかった。
2人は一体何の話をしているんだ？


『おい、柊。なんの事だ？』

柊「あれ？言いませんでした？
京治君が今日中に何かをなさると思うので身の回りにはご注意下さい。と」

『は？あれってそういう意味だったのか？』


くそっ。
柊のやつ俺を試したのか。
きっと京治に俺が信用出来ないなら自分でなにか行動をして確かめろとでも言ったのだろう。


京治「ごめん。怒ってる？」

『いいや、全然。柊に怒っている。』

柊「ですが、仲良くなるどころか家族にまでなったのでしょ？それは実に素晴らしいことです。私に感謝をして頂いてもよろしいぐらいかと思うのですが。」


ぐうの音も出ない。
柊はどこまで見据えてこの計画を立てたのだろう。
相変わらず恐ろしい奴だ。
だが、京治と仲良くなれたのは柊のおかげだ。
一応感謝だけ伝えておこう。


『ああ、ありがとう。』

柊「いえいえ。これが私の仕事ですから。」


そういい部屋から出ていった。


今時計の針は3時を指している。
まだ、起きるには早い時間の為、京治を寝室まで連れていこうとしたが、俺と寝ると言ってきたので俺は京治と布団に入った。


翌朝、当たり前の如く柊に叱られた。


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柊「昨日あれ程言ったのにどうしてしてないんですか！！」

『いや、京治が可愛くてつい。』

柊「つい、ではありません！！今すぐ仕事をして下さい！！！」

『はい』

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