13話 ページ14
暫くすると研磨はちまちまと俺の方に寄ってきた。
このまま俺の腕の中に来てくれるのかと思ったが、研磨は俺の前で止まった。
『どうした？』
研磨「貴方変わっているって言われない？」
さっきより優しい目で俺を見る研磨。
『変わっているなど言われたことない。研磨が初めてだ。』
研磨「嘘。だって、俺たち獣人にこんなに優しくする人なんていない。俺たち獣人は人間の道具で愛されたことも無い。」
そう言う研磨の目には薄らと涙が浮かんでいた。
人間には優しさがある。
だが、どこかで道を踏み間違えた奴もいる。
研磨は後者の人間にしか買われなかったのだろう。
人間の優しさを知らない子。
いや、人間が研磨に人間の優しさを教えなかったのだろう。
俺は研磨が自分から俺の腕の中に来るのを待っていたが無理そうだ。
俺は目の前にいる研磨を抱きしめた。
小さな体。
この体で一体どれ程の苦悩に耐えここにいるのだろう。
研磨「俺に優しくするのはやめてよぉ！」
研磨は泣きながら俺から離れようとする。
だが、それをさせまいと俺は先程よりも強く研磨を抱きしめた。
『人間からの優しさを知らないなら俺が教えてやる。人間からの愛情を知らないなら俺が教えてやる。
だから、自分のことを道具などと言うな。』
俺がそう言うと研磨は声を上げて泣いた。
研磨「俺、ちゃんと愛されたかった！
道具としてじゃなくて1人の人間として愛されたかった！
でも、色んな人間と会う度に道具として扱われて…苦しかった！」
やっと研磨の心の叫びを聞くことが出来た。
泣きじゃくりながらも自分の気持ちを打ち明けてくれた研磨。
『そうか。今までよく頑張ったな。これからは何も我慢しなくて良い。俺が愛してやる。』
研磨はさらに泣き、「ご主人様、ご主人様」と俺に縋り付く。
『研磨、俺はAだ。ご主人様なんて呼ばなくていい。呼び捨てで構わない。Aと呼んでくれないか？』
研磨は俺の首にに腕をまわし、俺の名前を必死に呼んだ。
研磨「A、A！！」
『ああ、そうだ。
今は思いっきり泣け。そして、明日からは研磨の笑顔を見せてくれ。』
俺は研磨が泣き止むまで抱きしめ続けた。
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クロイルカ - もう一回見たけどやっぱいい‼︎ (2023年3月9日 20時) (
レス) @page47 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
クロイルカ - あああああああああああああああああああああああああああああああああああ尊い、、、t (2022年9月29日 19時) (レス) @page47 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
星桜(プロフ) - あああさん» コメント並びにリクエストありがとうございます！謎にコメントを返せない現象に陥っていて全然返せませんでした(泣)プールいいですね！今夏ですし書かせていただきます！ (2020年8月9日 21時) (レス) id: 9002b39da0 (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 初コメ失礼です．初コメですけど、リクしますね凄く馴れ馴れしいんですけどね（ 夢主と全員（？）でプールに行くっていう話をつくって欲しいです。すみません、、話し自体はお任せします! (2020年3月12日 1時) (レス) id: 4ebfacfaad (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - とってもかわいかったです！ありがとうございます！！ (2020年3月9日 0時) (レス) id: 6e085bbcde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星桜 | 作成日時：2020年1月31日 0時
