10話 ページ11
名前を聞いた後また、無言の走行となった。
柊「A様、到着致しました。」
『ああ、ありがとう。』
俺は1人ずつ車から降ろし、自宅へと誘導した。
彼らの歩くスピードは、会場裏から車まで行く時とは違い、とても遅かった。
この行動が、彼らたちの不安な気持ちを示していることだと俺は直ぐに理解した。
『大丈夫。君たちの思っているようなことはしない。』
蛍「…そだ」
『ん？なんだ？』
蛍「そんなの嘘だ！！！
人間は、そう言って僕たちを油断させてからいつも酷いことをする！
僕たちは学んだ！どれだけ優しくてもそれは上っ面だけだって！
信じるだけ無駄だって学んだんだ！！」
はぁ、はぁと肩で息をしながら蛍は俺に言った。
だが、蛍は自分のした事に焦りを覚えたのか、泣きながら「ごめんなさい、ごめんなさい」としゃくり上げた。
ああ、彼らはどの様な目にあっていたのか。
俺が想像するよりも遥かに酷い仕打ちをされていたに違いない。
俺は胸が張り裂けそうなぐらい痛くなった。
俺は無意識のうちに蛍を抱きしていた。
今、触られるのは嫌だろうがどうしても抱きしてあげたかった。
小刻みに震える背中を撫でる。
俺は、子供のあやし方なんて分からない。
時折『大丈夫』という言葉をかけてあげることしか出来なかった。
暫くたって落ち着いたのか背中の震えが治まってきた。
震えが止まったと思えば、蛍は恐怖に満ちた顔で俺を見上げた。
蛍「な、殴らないのですか？」
『なぜ、そんなことする必要がある。蛍は何も悪いことしていない。
それに、俺はお前たちを殴ったりしない。約束する。』
蛍「でも、前のご主人様は気に食わなかったら直ぐに手を出してきました。
人間は皆同じじゃないんですか？」
『ああ、少なくとも俺はしない。
蛍たちの前の主人は屑人間だった。ただそれだけだ。』
蛍「ご主人様は僕たちを殴ったりしない？
体で遊んだりしない？」
『ああ、しない。蛍たちにも人権がある。ここでの暮らしは自由にしてくれれば良い。』
蛍「ほ、本当…ですか？」
『ああ、敬語もいらない。それと、俺からのお願い何だが…ご主人様というのを辞めてくれないか？
ご主人様だと距離があるように感じる。』
蛍「わ、わかった…です。A様。」
矢張りまだ、難しいか。
これは時間がかかるなと俺は頬を掻いた。
その間、残りの3人は俺と蛍の方をただただじっと見つめているだけだった。
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クロイルカ - もう一回見たけどやっぱいい‼︎ (2023年3月9日 20時) (
レス) @page47 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
クロイルカ - あああああああああああああああああああああああああああああああああああ尊い、、、t (2022年9月29日 19時) (レス) @page47 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
星桜(プロフ) - あああさん» コメント並びにリクエストありがとうございます！謎にコメントを返せない現象に陥っていて全然返せませんでした(泣)プールいいですね！今夏ですし書かせていただきます！ (2020年8月9日 21時) (レス) id: 9002b39da0 (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 初コメ失礼です．初コメですけど、リクしますね凄く馴れ馴れしいんですけどね（ 夢主と全員（？）でプールに行くっていう話をつくって欲しいです。すみません、、話し自体はお任せします! (2020年3月12日 1時) (レス) id: 4ebfacfaad (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - とってもかわいかったです！ありがとうございます！！ (2020年3月9日 0時) (レス) id: 6e085bbcde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星桜 | 作成日時：2020年1月31日 0時
